29.幸せになって… ページ29
鶴丸「……こりゃ驚きだぜ。」
加州「見ーちゃった。」
一期一振「…すみません。」
鶯丸「…！お前たち……、いつから…」
一期一振「盗み聞きするつもりはなかったのですが、出て行くタイミングを失ってしまって…」
主が去った後、廊下の角から3人が姿を現した。
鶯丸「まぁいい。……主が言った言葉、どういう意味だろうか。審神者を頑張ることすらできなくなるって…」
加州「あれ…。聞いてないんだ。主、結婚したら審神者をやめる約束してるんだよ。」
主が…居なくなる？？
結婚したら…もう…会えない？？
鶯丸「＿＿！？そんなの聞いていない…！」
鶴丸「＿＿鶯丸。……御法度を承知の上だと思うが、＿＿お前、主に懸想しているだろ。」
鶯丸「……っ…」
突然の鶴丸の言葉に息が止まるかと思った。
鶯丸「………だったら何だと言うのだ…。俺が勝手に好いているだけだ……。」
そう、勝手に思っているだけ。
審神者と刀剣男士の恋愛は禁止だ。
だから……俺の想いは永久に伝わらないだろう。
ならば墓まで持っていくだけだ。
加州「…へぇ……本当なんだ。じゃあどーすんの？破談する作戦でも考える？」
鶯丸「……主は平安時代から続く由緒正しい茶屋の一人娘だ。簡単にはいかない。……それに、破談するつもりなどないし、そんなことする資格もない。……けどな、好きなひとの幸せを願うくらいなら許されるだろう？」
一期一振「鶯丸殿……」
鶯丸「＿＿好きなひとには幸せになってもらいたい。だから…縁談が上手くいくように何とかしなくては…」
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