私にリンドウを、あたしへゼラニウムを。【HUNTER×HUNTER】

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「それにしても入団初日から仕事させるなんて、もしかして蜘蛛ってブラック？あ、でも殺しやってる時点でブラックも何もないか」


騙されたー！と喚きながら歩くAを横目にフェイタンはため息をつく。


拷問してから殺そうと思い連れ帰ったらまさかの入団。

だれも予期していなった事態であり何よりフェイタンを萎えさせた。


「お前ささと逃走すればいいね。そしたらワタシが殺してやるよ」


「おいあんま刺激すんなよ、一応もう蜘蛛のメンバーなんだからよ」


「フェイタンが逃走すれば？そしたら私が殺してあげる」

「おい」


殺気をもらすフェイタンとAにフィンクスは半ばこれは無理だ、と諦めていた。


正式な入団が決まった後、クロロから仕事を任されそれにフェイタンとフィンクス、そしてAが指名された。


内容はある刀を盗んでくること、それに加え派手に暴れてくることだった。


刀は妖刀に部類されるもので”春暁(しゅんぎょう) ”と呼ばれるらしいが、それ以上の詳しい情報はなくとりあえず盗ってこいとのこと。

しかし今回の仕事は大方Aのお手並み拝見というところで、刀はついでだろうとフェイタンとフィンクスはわかっていた。



「そういえばAはどこに刺青入れたんだ」


「え、みたい？フィンクスって顔怖いけど意外と大胆なんだね。フィンクスならいいかなー」


「いや口でいえばいいんだよ」


「あ、そう？」



服を脱ごうとした手を止めたAはどこか残念そうにも見えるのがまた可笑しな話である。



「ウボォーギンて人と同じところに入れてもらった」


つまり腰のあたりか。


「お前そうやて代わりにでもなるつもりか？」


「いや全く。知らない人だし知らないうちに死んだ人だし。ただ入れたい場所が思いつかなかったからパクらせてもらっただけ」


「そりゃそうね。ウボォーの代わりにお前は非力すぎよ」


「フェイタンの代わりなら十分、いやそれ以上だけどね」


「だから煽んなって」



この二人を同じにさせたのだからクロロも性格が悪いとつくづくフィンクスは実感する。

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