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全員の視線がどさりと音を立てて乱暴に置かれた女に向かれた。
「フェイタン、そいつは」
「ガキ2人は逃げたね。こいつだけ捕まえたよ」
「そうか」
蜘蛛、幻影旅団の団長であるクロロに報告するフェイタンは少し落ち着かない様子だった。苛立ちからか眉間には皺が寄っており密かに殺気も漏れている。
「早く拷問したそうだな」
「あたりまえね。全部吐かせてやる」
「なんだ恨みでもあるのか」
「もしかしてこの子フェイタンがオークションのときに逃がした子なんじゃない?」
「……」
横から入ったマチの言葉にフェイタンがあからさまに嫌な顔をするのを見てクロロはふっと笑った。これはいつもより血が出るな、と。
はやく、はやく女を拷問したい。爪を剥いで、指を折って、歯を抜いて。
そして最後に_______
「拷問好きじゃないんだけど」
「…!」
マチの言葉を無視して拷問を始めようと女の手を掴んだ刹那、女から鋭いオーラが流れ出すと同時に目を覚まし掴まれた手を振りほどかれた。
ここへ連れてくる前気絶させる時に手を抜いた覚えはない。そしてそれは団員たちもわかっており、だからこそ女の異常な早さの目覚めに違和感を感じたのだ。
そしてもうひとつ。
「……お前誰ね」
鋭いオーラが肌を刺す。
このオーラは以前オークションで女とやり合った時のものとは別だった。
あの時の女ではない、フェイタンはそう察した。
「そんなん聞かれても困る。とりあえずあたしのこと逃がしてよ」
「許されると思てるのか」
「そこをなんとか」
「頭いかれてるね」
この状況でふざけたことを言うほど余裕があるのか、女は全く焦りを感じさせない。
また苛立ちが増す。なぜこんなに早く目覚めたのか、そしてまるで人が変わったかのように以前とは違うオーラ。これはどういうことなのか。
やはり、すべて吐かせたい。
「そっか無理かー。やっぱ自力で逃げるしかないか」
「それも無理だよ」
「うげっ」
素早く女の後に回り込んだマチが念糸で女を捉える。身体中に巻かれた糸はほんのり血を滲ませている。
「何気に結構痛いんだけども。てか一瞬しか見えなかったけどお姉さんめちゃ美人じゃない?」
「このまま引き裂こうか?」
「それはやめて、いくら美人でもそれはだめ。それにそれで死ぬのあたしだけじゃないよ」
「は?」
にししと悪戯っぽく笑う女と目が合う。
「…お前、絶対殺すよ」
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スケブ(プロフ) - カナさん» コメントありがとうございます!私もフェイタン大好きなので書いていて楽しいです(*^^*) 更新がんばります! (2020年6月8日 12時) (レス) id: 1a6288e1fa (このIDを非表示/違反報告)
カナ(プロフ) - すごくお話面白かったです!フェイタンめちゃくちゃ好きなので読んでてニヤけました笑笑更新頑張ってください!楽しみにしてます。 (2020年6月6日 17時) (レス) id: 653b7cacce (このIDを非表示/違反報告)
フェイタン天使(プロフ) - フェイタンがかっこよすぎてもう最高です!戦闘シーンありがとうございます!!!声の正体が誰なのか、蜘蛛と絡んでいく主人公(*・ω・*)wkwk フェイタンとの再会が楽しみです!更新待ってます! (2017年11月5日 10時) (レス) id: 0471dee109 (このIDを非表示/違反報告)
スケブ(プロフ) - アキス(*´∀`)さん» 返し遅くなってすみません。そう言ってくださるととても嬉しいです!更新頑張ります^^* (2016年9月3日 13時) (レス) id: 89a16ac7e5 (このIDを非表示/違反報告)
アキス(*´∀`)(プロフ) - スケブさんの話好きでさァ!もう一つのクロロの話も見やした!コメントはしてないですが…これからも更新頑張ってくだせェ…応援してやす(*^^*) (2016年9月1日 22時) (レス) id: a4bbb9d3d1 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:スケブ | 作成日時:2016年8月3日 20時