▼ __13 --『わたし』 ページ14
前に、ある一族を全員殺したことがある。
その一族は身体能力が優れていて、念を習得している者も少なくなかった。
奴らは決して無暗に人前に姿を現したりしない民族で隠密に行動し生活をしていた。
そんな彼らを私は好いていた。人はあたたかく、よそ者である自分をとても大切に育ててくれた。
念も、彼らが自分で身を守れるようにと教えてくれたのを覚えている。
今思えば、笑える話だ。なぜ殺しに至ったのかは覚えていないが、あのときの感触すべてが体に染みついている。
それは決していいものではない。
あの殺しに楽しさを感じていたのは事実だ。しかし感情とは不思議なもので、いまではあの記憶が、感触が、不快でたまらない。後悔、とでもいうのだろうか。
彼らは強かった。ただの平和ボケ集団ではない。それでも私が全員を相手できたのは彼らに迷いがあったからだろう。
共に生活し成長を見守ってきた我が子同然の自分を、殺すのはやはり苦しかったのだろうか。
しかし、その感情が、その迷いが命取りになった。
人はやはり感情にコントロールされると弱くなる、人間らしくいることがこれほど悲しいとは。
一族の最後のひとりに手を出す。
同い年くらいだったか、少し年上だったかもしれない。
その男は私に殺されるかもしれないという恐怖で動けなくなっていた。
だから、目玉を取るのはとても簡単だったんだ。
そいつの右目を私に埋め込む。
ずっと、みんなと違う自分の真っ黒な瞳が気に入らなかった。
どんなに彼らが私を受けいれてくれても、同じにはなれない。
羨ましかった。彼らの目が欲しかった。
そういえば、目を奪った男は見たことのない者だったな。
あれ、あいつ初めから戦ってたっけ。
なんだろう。この違和感は。
記憶をたどろう、どこからたどればいいんだ。というか、記憶って？
私なにを思い出そうとしてたんだっけ。
なににこんな不快になってるんだ。怖がってるんだ。悲しんでるんだ。
あ、思い出した。というより、これしか思い出せない。
＿＿＿＿＿＿＿＿一族の瞳はとても蒼かった。
ｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰ
新作の妄想です。
クロロ落ちになってます、よかったら見てください^ ^
不確かな情報屋【HUNTER×HUNTER】【クロロ】
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スケブ(プロフ) - カナさん» コメントありがとうございます！私もフェイタン大好きなので書いていて楽しいです(*^^*) 更新がんばります！ (2020年6月8日 12時) (
レス) id: 1a6288e1fa (このIDを非表示/違反報告)
カナ(プロフ) - すごくお話面白かったです！フェイタンめちゃくちゃ好きなので読んでてニヤけました笑笑更新頑張ってください！楽しみにしてます。 (2020年6月6日 17時) (レス) id: 653b7cacce (このIDを非表示/違反報告)
フェイタン天使(プロフ) - フェイタンがかっこよすぎてもう最高です！戦闘シーンありがとうございます！！！声の正体が誰なのか、蜘蛛と絡んでいく主人公(*・ω・*)wkwk フェイタンとの再会が楽しみです！更新待ってます！ (2017年11月5日 10時) (レス) id: 0471dee109 (このIDを非表示/違反報告)
スケブ(プロフ) - アキス(*´∀｀)さん» 返し遅くなってすみません。そう言ってくださるととても嬉しいです！更新頑張ります^^* (2016年9月3日 13時) (レス) id: 89a16ac7e5 (このIDを非表示/違反報告)
アキス(*´∀｀)(プロフ) - スケブさんの話好きでさァ！もう一つのクロロの話も見やした！コメントはしてないですが…これからも更新頑張ってくだせェ…応援してやす(*^^*) (2016年9月1日 22時) (レス) id: a4bbb9d3d1 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：スケブ | 作成日時：2016年8月3日 20時
