CHERRY. *sho sakurai* (ページ27)

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27.タイフーンページ27

翔「ごめんなさい。ちゃんと挨拶出来なくて…。櫻井翔といいます。」

お店を出て路地裏に行くと

翔クンは帽子を脱いでモモチャンに丁寧に挨拶した。

モモコ「あれ？あれあれ？もしかして嵐～？」

閃いたように人差し指をたてるモモチャンに

翔「ですね。」

と、苦笑いの翔クン。

モモコ「なんだぁ！せんぱい何にもいわないから。ショウクンって嵐だったんだぁ！」

A「モ、モモチャン！」

モモチャンと翔クンの話をしてるって本人を目の前に言われると顔から火がでるほど恥ずかしい。

モモチャンの言動にワタワタしているわたしを見て翔クンが笑う。

翔「すぐそこにちょっといい感じのレストランがあるから、行ってみない？モモコチャン？も一緒に。」

レストランの方向を指さして翔クンが言うと

モモコ「あ、あたし、彼が迎えに来るから帰りまーす。せんぱいのコト、よろしくお願いしまーす♪」

ペコっと頭を下げるモモチャン。

翔「了解しました(笑)」

爽やかに答える翔クン。

さらりとした2人のやりとりにわたしは2人の顔を交互に見る。

モモコ「じゃ、せんぱい？あたし帰りますけど、明日もうちょっと面白い話が聞けるようにガンバッて下さいよ？」

A「モッ、モモチャン！」

モモコ「ばーいばーい！」

好き勝手言って、モモチャンは両手を振って台風みたいに行ってしまった。

いっちゃう？

この状況で。

ちらっと翔クンを見ると、翔クンもわたしを見ていたのか2人の視線が繋がった。

恥ずかしくって

顔から火がでそう…。

翔「行こうか。」

そんなわたしに気づかないかのようにいつものように笑う翔クン。

それが彼の優しさなのかな。

待ち合わせたカフェのすぐ脇の道を入ると小さな門をくぐって一軒家のレストランに入る。

知らない人は通り過ぎちゃいそうな看板も何もない隠れ家みたいなレストラン。

木のドアを開けるとほんのりと暖かい灯りが洩れた。