CHERRY. *sho sakurai* (ページ16)

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16.やっぱりアイドルページ16

…30分で着く。

翔クンはそう言ってた。

どうしよう？

何からしたらいいの？

部屋へ行って鏡を見る。

あんまり気合が入ってます！っていうのも変だよね…。

とりあえず子ども達と遊んでボサボサになった髪をまとめてお気に入りのリボンの飾りを付ける。

少しだけお化粧を直す。

洋服は…

洋服はこのどうでもいい部屋着じゃ…

だって初めて翔クンがウチに来るんだし、

っていうか、ちゃんと会って話すの初めてなのに、部屋着でいいの？

散々迷ってシンプルなニットのワンピースに着替えた。

時計を見ると予定の時間まであと5分。

ーーーピンポン♪

インターホンが鳴る。

え？もう着いたの？

A「はい…。」

ドアホンの受話器をとると

翔『櫻井でーす。』

少し低い声で言った。

A「今、開けます。」

ガチャンーーー

ドアを開けると

キャップを深く被ってPコートを来た男の人が立っていた…。

翔「こんばんは。」

ゆっくりとそう言うとキャップのつばを少し上げた。

A「こんばんは…。」

本物だ…。

本当に翔クンだ…。

ドアに手をかけたまま固まったわたしに翔クンは困ったように笑って

翔「入ってもいい？」

と言った。

ハッとして、

A「あ、どうぞどうぞ！」

と玄関先にスリッパをだすと

翔「いや、ここでいいよ。」

と言って玄関に入るとうしろ手にドアを閉めた。

翔「ごめんね？突然。」

そう言って翔クンはキャップを取ると少し下を向いてふるふるっと犬みたいに首を振った。

顔を上げた翔クンはやっぱり瞳がキラキラしていて、わたしはその瞳から目を離せない。

翔「Aチャン…、見過ぎ…(笑)」

眉を下げて優しく笑う。

恥ずかしくなって下を向くと

翔「そうだ、そうだ。コレ。」

と、紙袋をわたしの前に出した。

A「あ、ありがとう…。」

翔「空港で買ったから明太子とカステラ。女の子にお土産って何あげていいかわかんなくて…。」

ぐぅぅぅ…。

話してる途中で翔クンのお腹が鳴った。

A「ぷっ…。」

思わず笑うと

翔「いや、Aチャンち、すごいイイニオイするね(笑)」

と、翔クンが自分のお腹をさすった。