【ヒプノシスマイク】姐御のお通りだ【番外編】

男になったら…3 ページ3

side:Crazy M









突然ではあったが、煌夜殿と2人きりで過ごすという貴重な時間を得られた
小官のベースキャンプまで足を運んでもらうことはしばしばあったが、多忙な煌夜殿にそこまでしてもらうのも気が引ける

その為、こうして顔を合わせて話すのも久しいのだ

左馬刻と銃兎を見送った小官達は、ひとまず部屋で朝食後の寛ぎを堪能する
煌夜殿が淹れるコーヒーは格別だな





「会社に連絡したら、"良い機会だから休んでください"って言われちまってよ。仕事殆ど没収された…」

「そうか、休息は戦士にとっても重要だ。今日はゆっくり休むと良い」

「まぁ、休む前に寂雷の病院行かねぇとなんだけどな」





先程左馬刻が電話でシンジュク･ディビジョンの神宮寺寂雷に連絡を入れていた
煌夜殿が違法マイクの影響を受けたと聞いたあの男の慌てようは、電話から離れた小官達にも聞こえる程だった
左馬刻も驚いていたから、過去に例を見ない動揺だったらしい





「早く行かねぇと往診とか言って突撃かまされそうだな」

「では急ごうか」

「おー」





会社や他人には見せることのない、気の抜けた煌夜殿の声はやはり男のもので…
それが小官には少し悲しく思えた









.









「……本当に、男性なんですね…」

「だろ？朝起きたらなってたんだよ」





シンジュクにある病院で神宮寺殿の診察室に入ったが、彼があれ程目を見開いて驚いている様を見たのは初めてだ
仏と呼ばれる彼でも、この現実は刺激が強いようだ

軽く診察を受けた結果、どうやら過去にも何度かそのマイクの被害に遭った患者を診た事があるらしい





「個人差はあるが、大体3日ぐらいで元に戻りますよ」

「3日かー…。ん゛ー…」





腕と脚を組んで唸る煌夜殿は中々稀な姿で、彼女がこれ程難色を示す程重要な仕事でもあるのではと不安を覚えた





「何か問題が？」

「いや、仕事やれなくてストレス溜まりそう…」

「「………あぁ…」」





この時、小官と神宮寺殿は同じ事を考えただろう





((仕事中毒(ワーカーホリック)にも程があるだろう…))









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