人の形を模したモノ 【md】 ページ47
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「......誰、お前」
『何言ってるのみどりくん。私の事忘れた？』
そう言って、彼女は悲しそうに首を傾げた。
忘れる？忘れるわけ、ないじゃんか。俺の、俺の、大切な人。
今までの思い出全部全部覚えてる。
目の前で俺の事を悲しそうに見るコイツは、どこからどう見ても俺の大切な人、Aだ。
でも、本当の彼女じゃない。だってあの人は.......。
「...もう、帰って」
思い出すと辛くなって、目の前にいるコイツを見てまた辛くなって。
俺はそうコイツを突き放して玄関のドアを閉めようとする。
でも、ソイツは玄関のドアを閉めきる前に手を掛けて閉めさせまいとした。
そうされると、ソイツが本当のAでない事は理解しているのに「傷付けちゃダメだ」と本能的に考えてしまって。
閉まる寸前の所で閉めるのを止めてしまい、するとソイツはその隙を突いてドアを開いた。
ソイツは、とても悲しげな表情で俺を見ていた。グッと息が詰まって心臓が痛くなる。
「......やめてよ。帰って」
やっとの事で絞り出した言葉。しかしソイツはその言葉を聞いても尚、ふるふると首を振った。
......やだ、ヤダ、やめてよ。本当に。
そんなAにそっくりな顔しないで。
『みどりくん、私会いたかったんだよ？』
「...俺は、ヤダ」
上目遣いでそう言うコイツ。でも俺は頑なに首を振り続けた。
ソイツはやっぱり悲しそうに眉を下げながら『なんで...』と呟いて。
『みどりくんは、私に会えて嬉しくないの？』
首を傾げながら、そう聞いてきた。
嬉しい、うれしい......？
嬉しくないと言えば嘘になる。確かに俺はAに会いたかった。会って、一緒にもう一回笑いあいたい。
でも、それはコイツじゃない。AにそっくりだけどAじゃない。
だから嬉しいというのも違う気がする。
考えても答えを上手く纏めることなど出来ず、ただ黙る。
すると目の前のソイツは心配そうに俺の名前を呼んで、そして俺の頬へ手を伸ばして。
「ｯ......触るなっ」
『いっ...』
気付けば俺は、その手を叩き落としていた。コイツは顔を歪めて泣きそうな顔で俺を見る。
...ヤダ、もう見たくない。
「帰って」
最後にそれだけ告げると、すぐにドアを閉め鍵を掛けた。
ドアの隙間から見えたアイツは、ぽろぽろと涙を流していた。
...ニセモノなんて見ても辛くなるだけ。
俺はズキズキ痛む心を押さえて踞った。
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必要のないモノ
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メロディ(プロフ) - 翡翠さん» いえいえ〜こちらこそリクエストありがとうございました！ (2020年4月29日 10時) (
レス) id: 1e2bac22f6 (このIDを非表示/違反報告)
翡翠 - リクエストに答えてくれて、ありがとうございます！ (2020年4月29日 9時) (レス) id: 48eb906cb5 (このIDを非表示/違反報告)
メロディ(プロフ) - らのらのさん» rdですか....分かりました！書くかは分からないですが考えてみますね〜！教えて頂きありがとうございました！ (2020年4月20日 17時) (レス) id: 1e2bac22f6 (このIDを非表示/違反報告)
らのらの - メロディさん» はい！お願いします！ところで「花吐き病」を奇病のやつとしてやるのなら夢主さんがらっだぁさんに恋をして________というのを見てみたいですね！別に誰でもいいのですが……自分、らっだぁさんが推しなので…！ (2020年4月20日 11時) (レス) id: 194ccaa0c1 (このIDを非表示/違反報告)
メロディ(プロフ) - らのらのさん» 「花吐き病」ですか....。確かにタイトル的にもあってますね〜！教えて頂きありがとうございます！調べてみますね〜！ (2020年4月19日 13時) (レス) id: 1e2bac22f6 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：メロディ | 作者ホームページ：http://uranai.nosv.org/u.php/hp/merodexi032/
作成日時：2020年1月26日 21時
