▽ ページ12
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少しまたページを遡ると、今度はコネシマくんのページだ。
コネシマくんの文字は一つ一つが大きくて、明らかに行を埋めるためだと丸わかりだ。
流石に先生も「ちゃんと書こうなコネシマ」と書き込んであった。
でもそれよりもヤバかったのはゾムくんで、ちゃんと書いてある所はほとんど無く、何を描いたのか分からない絵があった。
それに、やっぱり猿山先生に対して煽ったり罵ったりする文が多く見られ、先生もコメントが他の人よりあらぶっていた。
この2人ここでもそんな言い争ってるのか.....。
逆にこれは仲が良いのでは無いかと少し思っていると、突然日誌が誰かに取られてしまった。
『あっ...』と自然に目は日誌が取られた方へと動いていき、猿山先生と目があった。
先生はすごく険しい顔をしていて、思わず体が固まる。
「あっ、じゃ無くて...。もう...いつまで学校にいるんだ?もう下校時刻過ぎてるぞ」
『...ご、ごめんなさい...。日誌、先生に渡そうと思って....』
「そのわりには日誌読んでたよなぁ?それに、これは放課後書くものじゃ無くて休み時間に書くものだぞ?」
『はい....』
少し怒気を含んだその声と真っ直ぐな瞳に、なんだかどんどん雰囲気が重く暗いものになってきて思わず下を向いた。
先生の言葉一つ一つに、とても重みがあるような気がして返事をするだけになってしまう。
それに全くもって先生の言う通りで何も言えず、これから私怒鳴られちゃうのかな、と怖くて泣きそうになった。
ぎゅっと手を握り、ぎゅっと目を瞑る。
でも、私の頭にぽんぽん、と優しい何かが置かれたのが分かった。
...え......?とゆっくり顔を上げると私の頭にあるのは先生の手で、さっきまでの重苦しい雰囲気ではなく、嘘のように暖かかった。
「ごめん、ちょっと意地悪し過ぎたわ。先生、ちょっと用事があって職員室行ってた。ごめんな」
『...せんせぇ、ごめんなさい...』
「え!?ご、ごめんA!!俺マジで怒って無いから!!次から気を付けてくれたら良いから!!な、な?」
『...はいぃ......』
「あ〜!ごめんごめん先生が悪かった...ほんとに...」
ピンとはりつめた空気が柔らかくなったせいか、思わず溢れる涙。
普段、自慢では無いがあまり怒られない私は、こういうのに慣れていなかった。
先生は泣き出してしまった私を見てあたふたした後、ひたすらごめんな?と良いながら私の頭を撫で続けてくれた。
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優しい先生
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メロディ(プロフ) - 翡翠さん» いえいえ〜こちらこそリクエストありがとうございました! (2020年4月29日 10時) (レス) id: 1e2bac22f6 (このIDを非表示/違反報告)
翡翠 - リクエストに答えてくれて、ありがとうございます! (2020年4月29日 9時) (レス) id: 48eb906cb5 (このIDを非表示/違反報告)
メロディ(プロフ) - らのらのさん» rdですか....分かりました!書くかは分からないですが考えてみますね〜!教えて頂きありがとうございました! (2020年4月20日 17時) (レス) id: 1e2bac22f6 (このIDを非表示/違反報告)
らのらの - メロディさん» はい!お願いします!ところで「花吐き病」を奇病のやつとしてやるのなら夢主さんがらっだぁさんに恋をして________というのを見てみたいですね!別に誰でもいいのですが……自分、らっだぁさんが推しなので…! (2020年4月20日 11時) (レス) id: 194ccaa0c1 (このIDを非表示/違反報告)
メロディ(プロフ) - らのらのさん» 「花吐き病」ですか....。確かにタイトル的にもあってますね〜!教えて頂きありがとうございます!調べてみますね〜! (2020年4月19日 13時) (レス) id: 1e2bac22f6 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:メロディ | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/u.php/hp/merodexi032/
作成日時:2020年1月26日 21時