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鬱くんがトントンくんに連れ去られると、ゾムくんとコネシマくんが私の方にグッと身を乗り出して口々に言った。
「次なんか変なことされそうになったら遠慮なく殴ってええんやで!」
「そぉやそぉやA、いっちょかましたれ!」
いや流石にそれはちょっと...。
口には出さなかったが、また誤魔化すようにあはは...と私は笑った。
それから、ゾムくん、ロボロくん、コネシマくんの後ろで鬱くんがトントンくんになにやら怒られていたり、コネシマくんが大声で笑ったり残りの二人が息つく暇なく私に話しかけてきたりとだんだん場はカオスになってきた。
ちなみにほとんどが笑い声のせいで聞こえなかった。
それでもなんとか会話をしばらく続けていると、唐突に5人は帰ろうかという話になり、ばいばいと私に手を振ってまたわちゃわちゃと騒がしく喋りながら教室を去っていった。
その5人がいなくなると教室は嵐が過ぎ去った後のように静かになっていた。
それもそのはず、教室にはもう私しかいなかった。
猿山先生どこいったんだろ。
そう思ったが、教壇には猿山先生の荷物が置いてあったので多分帰ってくるだろう。
日誌、書かなきゃ。
会話が弾んで全く書けていなかった日誌に向かって、今度こそちゃんと書き進めた。
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明日の体育もとても楽しみです、まるっと.....。
最後の感想の部分まで書き終わって、「やっと終わった〜」と伸びをし、ぐでんと机に倒れこむ。
意外と時間がかかってしまったが、まぁ仕方ない。
教室を見るとやっぱり猿山先生はいなくて教壇には変わらず荷物が置いてあるだけで、近くに人の気配は全く無い。
日誌、先生に手渡ししなきゃだしもうちょっと教室で待っておこう。
そう思った私は時間潰しに折角なので他の人の日誌を読み始めた。
ぱらぱらとページを遡って、気になったページで止まる。
あ、これトントンくんのだ。
トントンくんはやっぱり字がとても綺麗で、内容もちゃんと真面目に書いているようだ。
はぁ〜.....やっぱり凄いなぁ。流石だな。
と、その横のページはロボロくんで、男子に余り見られない可愛らしい字で書かれていた。
しかし、所々、違う人の字で全く違う事が書いてあった。殆ど猿山先生の悪口ばっかりだったが。
先生が後で書き込む赤色のボールペンで線が引かれ、その下に「おいこらぞむ」と書かれている所を見ると、やっぱりその落書きはゾムくんのもののようだ。
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メロディ(プロフ) - 翡翠さん» いえいえ〜こちらこそリクエストありがとうございました! (2020年4月29日 10時) (レス) id: 1e2bac22f6 (このIDを非表示/違反報告)
翡翠 - リクエストに答えてくれて、ありがとうございます! (2020年4月29日 9時) (レス) id: 48eb906cb5 (このIDを非表示/違反報告)
メロディ(プロフ) - らのらのさん» rdですか....分かりました!書くかは分からないですが考えてみますね〜!教えて頂きありがとうございました! (2020年4月20日 17時) (レス) id: 1e2bac22f6 (このIDを非表示/違反報告)
らのらの - メロディさん» はい!お願いします!ところで「花吐き病」を奇病のやつとしてやるのなら夢主さんがらっだぁさんに恋をして________というのを見てみたいですね!別に誰でもいいのですが……自分、らっだぁさんが推しなので…! (2020年4月20日 11時) (レス) id: 194ccaa0c1 (このIDを非表示/違反報告)
メロディ(プロフ) - らのらのさん» 「花吐き病」ですか....。確かにタイトル的にもあってますね〜!教えて頂きありがとうございます!調べてみますね〜! (2020年4月19日 13時) (レス) id: 1e2bac22f6 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:メロディ | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/u.php/hp/merodexi032/
作成日時:2020年1月26日 21時