［d!］暗殺者さん、私を攫ってください［zm］

誘拐 ページ48

Aは直ぐに後ろに振り返って足を早める

音を立てずに走るなんて事は出来ないAは、少しドタドタと音を鳴らして足を進めた

その音に反応して、玄関にいる人物が大きく反応する

たとえその人物よりも家の構造を知っているとはいえほぼ子供と変わらない体力、身長のAが大人に勝てるはずも無い

呆気なくAの腕は掴まれ、口にハンカチか何かを当てられる



『ん”んッ！』



？「本当にごめんね…」



そんな声がAの耳に届くも、Aは段々と睡眠欲に襲われて意識が遠のいていく

Aの瞼が完全に落ちる寸前、Aの瞳には特徴的な赤色の髪が映った



『きれ、い…』



？「え？」



男の困惑の声と共に、Aの意識は完全に落ちた

くたりと眠ったAを少し焦ったように男は抱き寄せると、少しだけAの顔を凝視する



？「きれい、か…。それが知らない奴への第一声なのかよ」



「ハハッ」と何処か可笑しそうに笑う



？「こんなに変で優しい子の為なら、尚更手伝ってやらないとなぁ」



これから誘拐をする人物とは思えないほど優しい顔をして笑う男は、優しくAを抱えて外へと出ていった

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