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根は優しいよね ページ5

翌日。

現在、由伸の家の前です。インターホンを押すのをためらっています。そりゃ私だって男の人の家に入ることはあるけど、緊張するでしょ!


ガチャ


「早く入れ、風邪ひくで」

「なんで…?」

「窓から見てた、いつまで経ってもインターホン押さんし、ほら、入って」



「お邪魔します…」



由伸の部屋は初めてでは無い。2,3回来たことはあるが、いつもいつもなかなかの散らかりようだ。


「今日は青色の服ちゃうんや」

「あのねぇ、病院外であの服きたら変な人になるのわかる?」


「え、Aはいつも変やん?」


「あ、帰っていい感じっすか?」


待て待て、と腕を掴まれる。これもお決まりのコント。





「んで?なんのゲームする?」

「なんでもいいよ、」

「あ、それか映画でも観る?」


「は?」


映画…?日本のエースも映画観るんだ…。

「なんか感激じゃない?」


「俺も映画ぐらい観るわ」


「え?」


"全部声、出てんで?"



ニヤつく由伸。なぜか恥ずかしくなる私。いつも由伸にやられっぱなし。


「っていうかなんの映画あるの?」

「んー、あ、これ宮城から借りてきたやつやけど、…あ、」

「どうしたの?」

「いや、…こっちにするか、」


「それ、ホラーでしょ、嫌だよ、私は、絶対、断固拒否です」

「他のやつは気分じゃないのでこれでー」


「はぁぁぁぁあ?」


私がホラーが大の苦手なことを知っているくせに。




「顔死んでるけど」

「そりゃそうでしょ、ぎゃぁぁあああー!」


「ねえねえ、もう来る?ねえ、由伸!返事しろ、きゃぁああ」


無事(?)喉が痛いです。その割に由伸は澄まし顔でこっちを見ている。



「ほんまに怖がりやな」

そうやって笑う由伸。でも知ってるよ、本当は根っこから優しいこと。だって、見てる時手握ってくれてたもんね。



「もう、由伸のばーか」

「わかったわかった、はいはい」


優しく抱きしめてくれるあたりも、また優しくてモテるポイントなのかなとつくづく思った。

恋は盲目→←何を考えてるの?



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作者名:renren | 作成日時:2023年2月2日 18時

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