桃の子と地獄のアイドル�� ページ3
Aが固まって顔が赤くなったのは勿論、照れてというのもあるが…
それ以前に、現在進行形で白澤にお尻を触られていたのである。
『何恥ずかしいこと言ってさり気なくお尻触ってんだこのセクハラ上司！！』
そう叫ぶと、Aは白澤を背負い投げの勢いでそのまま農園の茂みの奥にぶん投げた。
桃太郎時代に鍛えていた腕力が、こんな所で役立つなんて…と、喜べば良いのか悲しめば良いのかわからず、彼女は項垂れた。
『(まあでも、鬼灯様に「もしアイツにセクハラされたら容赦なく殴り飛ばしなさい」って言われてたし、いいか。悪いのは白澤様だし)』と開き直る。
「あの人…大丈夫ですかね」
若干青ざめて言ったマキに、
『あれでも神獣なんで大丈夫ですよ』
すぐ復活します。ゾンビみたいに。
と、Aは苦笑した。
そして、「ナイス背負い投げ…」とか呟いていたマキのマネージャーに向き直って、キッパリと言った。
『とにかくっ…アイドルの話はお断りします。私今、薬剤師の勉強してるので』
NOと言えない日本人とかよく国民性のことを言われるけど、日本人だって断る時はちゃんと断るのだ。
「チッ…」
『(なんかめっちゃ舌打ちされたんですけど！？)』
「お前…そういう態度、もう少し隠せよ…」
ボソッと低い声で言ったマキを見て、
もしかして、今のが素の彼女だったりするのだろうか…と、ちょっと思ったAだった。
ちなみにこの機会に、お互い桃に縁がある者同士、少しだけ仲良くなった2人なのであった。
「え〜Aちゃんだけ、マキちゃんと仲良くなってズルくない〜？」
僕も仲間に入れてよ〜
『…白澤様はもう少し、普段の行いを改めたほうが良いですよ』
まあ言っても無駄でしょうけど。
あの後、マキと少し仲良くなったと知った白澤がぶーたれて文句を言ってきたので、Aは呆れ顔でそう返した。
彼女的には、天国に来てからというもの、女の子の友達はおろか、知り合いすら殆ど居なかったので、マキと知り合えて実は結構嬉しかったのだ。
後日、マキからデビューシングルのCDが「良かったら聞いて下さい…いや聞かなくてもいいです…」というメッセージと共に送られてきて、
しばらく極楽満月の中では、中毒性のある「キャラメル桃ジャム120%」の歌詞が白澤とAにより口ずさまれていたとか。
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めぐりずむ(プロフ) - コメントありがとうございます！励みになります…(๑•̀ㅂ•́)و✧お恥ずかしいとのことで削除依頼されていたので、消させて頂きましたが、すごく嬉しかったです！ (2022年9月17日 1時) (
レス) id: ef3bd6ce41 (このIDを非表示/違反報告)
琉流 - とても面白いです｡ (2021年11月7日 0時) (レス) id: 45a1f0a151 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：めぐりずむ | 作成日時：2021年9月23日 23時
