人間なのに、首を切られた

７.あふれるのは不安の色 ページ7

*




止まった部屋の中で、



ふと言葉引っかかる




A「人を、喰う…」




鬼さんからそんな話は聞いたことがない



それに、私だって人は食べない。





善逸「だ、大丈夫だよ!!


禰豆子ちゃんは人喰ったことなんて一回もないし!!」





寝ているこの子のことだろうか。


この子も、鬼だったんだ。



炭治郎「俺の妹なんだ。」




A「あなたも、鬼、ですか。」




黄色い目と赤みがかった目が大きくなる。



炭治郎「えっと、違うよ。


妹は鬼にされたんだ。」




鬼に、『された』…？



どういうことだろう。人間だったってこと？






だったら、私は…








今度は、私の息が止まった。



口を開けても、空気が入っている気がしなかった。


二人が話している音が上手く聞こえない。



気付くと部屋から飛び出して、自分がいた部屋に戻っていた。




なにも、分からなかった。



どういうこと、


なんで、


だって、



なにも、







A「っ、ゆうや、さん、」







目からこぼれたそれさえも、色を持っていなかった。


色のないものばかりが、



溢れて、あふれて、止まらなかった。


*

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