人間なのに、首を切られた

５.信じたくなる声 ページ5

*




息を深くはいて、廊下に出る。



扉がいくつかある。


全部、部屋だとしたら、きっと大きな屋敷だ。




少し行くと階段があった。


これで、下に行ける。



「〜〜」
「〜!!〜〜」



…人の声。



隠れないと、どこか、




急いで、近くにあった部屋に入った。


暗い部屋で、ほっとする。




「〜〜……？何だか、禰豆子の部屋から、」



扉の向こうから、はっきり声が聞こえた。




近い。入ってくるんだ。どうしよう、隠れないと、


！あの下なら…



急いで高い寝床の下に入る。




どうか、お願い、気付かないで。





ガチャ

戸が開く音がした。



足音が近づいてくる。





「な、なぁ、炭治郎…」


「あぁ、分かってる。」




目を閉じた。



着物の布を深く被るように引っ張る。







気付かないで、





見つけないで、






私を、






ぐっと呼吸を止めて祈った。





「…何もしないから、出ておいで。


そんなところに居たら、体が疲れてしまうよ。」




優しい、優しい声がした。



でも、


A「姿を、見れば、きっと考えが変わります…」



「え、声可愛っ。」

「善逸。」



はいはい、黙りますよーなんて声が聞こえる。



二人、居るんだ。






「どんな姿でも、決して君を傷つけない。約束するよ。」





信じたいと、思ってしまう声だった。





いろいろ考える前に体を起こしていた。




被った着物は握ったままだったけれど。






*

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