人間なのに、首を切られた

12.人との出会い ページ12

*



はっきりとした声がして、


振り返るとあの黒い服を着た人が立っていた。



着物を深く被っているから、顔は見えなかった。


声からして、女の子だ。



「包帯を取り替えたいですが…

ずっと食事もしてませんでしたね。

お腹はすいていませんか？」


A「お腹が、すく。」




おなかがすくって何だろう。



包帯って首に巻かれているものだろうか。




どうしよう。


同じような服を着ていたあの人には、鬼だと言ってしまった。


顔を見られれば、鬼だと分かってしまう。



さらに下を向くと、包帯の端がはらりとほどけた。



「!!包帯がほどけていますね。

まずは包帯を巻きなおしましょう。


付いてきてください。」



早くもその人は歩き出していた。




どこに行くのだろう。


ついていくと、夜に来た庭のようなところに出る。




日が、照っている。


遅れないように、近づきすぎないように、



一定の距離を保って行く。







善逸「Aちゃん!!」



聞いたことのある声がした。




確か、





A「あまつがぜんいつ、さん。」



善逸「わぁぁ!!名前覚えててくれたの!!エッ、結婚する!!??」

炭治郎「こら、やめろ善逸。」


善逸「止めないでよ炭治郎!!


…ておい、そんな目で見んなよ。泣くよ？」



「あァ！？誰だそいつ、着物被ってて弱そうだな！！」



知らない声がした。


日がまだ高いから着物をにずらして少しだけ見た。



やっぱり、私はいつもよりわくわくになっている。




え、


動物の頭が人間の体に乗っている。



おかしな人だ。いや、人なんだろうか




*

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