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「な、何なのよこいつらぁ……!」


モニターの向こう側でまた一人、罪もない(かも知れない)受験者が冷たい床に倒れて行く。
二百七十四期ハンター試験三次試験担当試験官ユーラは、即席の地下迷路で迷路で猛威を振るう三人の子供を、がたがたと怯えながら見ることしかできなかった。

人と話すことが苦手で、スパイ紛いの仕事ばかりしていたら何故かそれが評価され、ハンター試験の試験官に抜擢されたユーラは、何とか人と接触しない試験を考えてこの迷路を考え出した。
数少ない知り合いの建設業者に金を積んで頼み込み、築いたこの迷宮。
至るところに監視カメラや盗聴器が設置されており、それらから得る情報は全てユーラのいるモニター室に送信される。

ユーラは当初、こんなところに閉じ込められているのだから、ハンターを志す荒くれ者はやがて他の受験生と暴力沙汰になると思い込んでいた。
それを繰り返して数を減らせば、ユーラに手間はかからない。つまり、クロロの推察は全くもって正しかったのだ。

モニター室から監視して、適当なところで終了の合図を出せばそれでいいと楽観していた。
少ない情報から試験の本質を見抜くのもまた試練の一環、と後付けの理由を押し通して実現したこの三次試験は、例の三人さえいなければ無事に済んだだろう。


「やだやだやだ、どうしてこんなことになったの……!」


二次試験を担当していたあのうざったい三つ子が出す試験は、事前に聞いた限りでは難しいの一言で形容するのが難しいようなものだった。
一次試験も含め、それらをクリアしてこの迷路にやって来る多くの受験生は化け物だが、一番初めにユーラのモニターに姿を映した三人はもっと化け物だ。

当初、クロロがユーラの意図を見抜き、それなら実力行使に移ろうとなった時、ユーラは嘲笑さえしていた。
厳しい現実を知らない子供達が何だか可愛らしいことをしている。憐れみすら持っていたのに、これは何だ。
この、一方的に繰り広げられる通り魔的犯行の数々は何だ!


「てゆーかこいつら念能力者だしっ……ひい!何、今の奇襲!?怖い怖い!何で的確に人のいる方向に行けるの!?もうやだ!こいつら怖い!」


ユーラは知らぬところだが、Aは職業柄人の気配を感じ取ることに長けていた。
Aが位置を把握し、道を大体記憶しているクロロが案内する。既に迷路に残っているのは、この悪魔達を含めて九人しかいなかった。

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ハナミズキ - キルアが出てこなかった。。。。。 (4月4日 21時) (レス) @page24 id: 9174215e87 (このIDを非表示/違反報告)
mikitty(プロフ) - あけましておめでとうございます! (1月10日 17時) (レス) @page24 id: 75972ecbb8 (このIDを非表示/違反報告)
伊波トウナ(プロフ) - 続きはもう無いのですね... (2023年4月19日 12時) (レス) @page24 id: ce08f5279c (このIDを非表示/違反報告)
レイカ(プロフ) - 続きは書かないのでしょうか? (2020年4月13日 2時) (レス) id: 2f295bf970 (このIDを非表示/違反報告)
無題 - そうだったんですか…。残念ですけど、今まで楽しく面白い作品をありがとうございました!!貴方の作品、大大大好きでした。くらげ様の新しい作品、とても楽しみにしています。本当にありがとうございました!! (2019年5月11日 6時) (レス) id: 9aad1e7bf8 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:くらげ | 作成日時:2018年10月13日 20時

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