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Aがベンチの隅に寄った。立っていないで座れという意思表示らしい。
出会った当初の彼女からは考えられない気遣いに幾ばくか驚きながら、二人も腰を落ち着けた。
「二人にはいっぱい助けられちゃったなぁ」
手すりに頬杖をつきながら、Aが独りごちた。
思えば、試験会場への飛行船で出会ってから、ずっと行動を共にしてきたのである。
何となく別れる機会がなかったにしろ、Aが見ず知らずの他人とこれほど時間を過ごすのも信じられないことだし、クロロ達にもそれは同様に言えた。
流星街育ちの彼らの間には、一般には理解しがたい不思議な絆がある。
それを超えて“外”の人間と親しくすることはそうそうないのだが、今回ばかりは例外だ。
彼女は普通でないし、生まれがそこであったというだけではあるものの、一応出身は流星街である。何かしら、感じるものがあったのだろう。
「なら恩を返して貰おうか」
「調子に乗らないでね。案外イーブンでしょ」
「まあな。何なら、オレ達の方が貸されてる」
友達になりたいと言ったとは思えない貸し借りを持ち出してきたクロロに、Aが冷静に反撃する。
二次試験を攻略したのはクロロ達で、三次試験の真相に辿り着いたのも彼らだが、大元を言及すると、そこには一次試験でのAの大立ち回りが隠れている。
少年二人は文字通り命を助けられているのだ。それを思えば、恩などとはとても言えない。
「冗談はいいとして……A。最後に聞いておきたいんだが、本当にこっちに来る気はないか？」
三人揃って窓の外を眺めていた視線が一対、黒曜石の瞳で真っ直ぐにAを射抜く。
思いもよらぬ真剣味を帯びた声色をすぐ側に受けても、Aは広がる青空から目を離しはしなかった。
「ないよ。言ったでしょ。欲しいものはもう手に入ってる、って」
「弟くんのことか？」
ざわりと空気が揺らいだ。高所を飛行するのだから分厚く頑丈に作られているはずの窓ガラスが震える。
それでもなお、琥珀色の瞳がクロロのものと絡み合うことはなかった。
決して取るに足らないと思っているのではない。苛立ちを抑え込むため、あえて視界に入れまいと努力しているのだ。
「……二次試験の時、聞こえたんだ。キミがあれだけ感情を露わにするなら、さぞかし大切なんだろうと思ったんだが」
「そうだよ。大切なの。大事な、大事な大事な弟なの。もし何か危ないことを考えてるなら、わたしは今ここであなた達を殺すよ」
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ハナミズキ - キルアが出てこなかった。。。。。 (4月4日 21時) (
レス) @page24 id: 9174215e87 (このIDを非表示/違反報告)
mikitty(プロフ) - あけましておめでとうございます！ (1月10日 17時) (レス) @page24 id: 75972ecbb8 (このIDを非表示/違反報告)
伊波トウナ(プロフ) - 続きはもう無いのですね... (2023年4月19日 12時) (レス) @page24 id: ce08f5279c (このIDを非表示/違反報告)
レイカ(プロフ) - 続きは書かないのでしょうか？ (2020年4月13日 2時) (レス) id: 2f295bf970 (このIDを非表示/違反報告)
無題 - そうだったんですか…。残念ですけど、今まで楽しく面白い作品をありがとうございました！！貴方の作品、大大大好きでした。くらげ様の新しい作品、とても楽しみにしています。本当にありがとうございました！！ (2019年5月11日 6時) (レス) id: 9aad1e7bf8 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：くらげ | 作成日時：2018年10月13日 20時
