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「続けるぞ。まずこの質問方法を有効に活用するため、確実に乱神ではない一人を見つける必要がある。分かるか?」
「うん。それで、何だっけ……『「Bは乱神ですか?」と聞いたらあなたは「ダー」と答えますか?』だっけ?」
「そう。こう聞くことによって、Aが真神か偽神であれば、『ダー』と答えたらBが乱神、『ヤー』と答えたらCが乱神と特定できる」
「Aが乱神だったら無意味じゃないの?」
「それならそれで良いんだよ。目的は乱神で
Aが乱神なら、BもCも乱神じゃないんだから。以降Aに質問しないことで、乱神への無意味な質問を避けられる」
「……んむー」
Aの頭の中には、あの三つ子の姿がぐるぐると渦巻いている。「三人の神」を考えるにあたって、先ほどの三人は随分想像しやすい形だからだ。
クロロの砕きに砕いた説明をどうにか理解といえるところまで飲み込みつつ、未だ続く階段を降りる。
「乱神でない神を特定したらあとは単純だ。二重質問が通用する相手には、普通の質問と何ら変わりなく三人の内訳を導ける」
「シルくんもシャルくんも絶対おかしい。こんなの解けないもん」
「はは、試験の倍率に比べたら簡単な問題だろ」
「頭使うのとはまた別だと思うの」
ごもっとも、と冗談めかしてクロロが肩を竦めるのとほとんど同時に、長い階段がいよいよ終点にたどり着いた。
地上にある絢爛なホテルとは似ても似つかない、石造りの無骨な扉である。シャルナークが軽く調べ、罠のないことを確認して押し開ける。
その向こうに広がっていたのは、何本にも分かれ曲がりくねった数々の道──迷路だった。
最後尾を歩いていたクロロが扉をくぐると、自動的に退路が断たれ、スピーカーからノイズが流れ出した。
『え、えー、に、二次試験合格、お、おめでとうございます。ささ、三次試験はめ、迷路になっています。ど、ど、道中には色々仕掛けがありますので、き、気をつけて』
吃音のひどい、根暗そうな女の声は、それだけ告げてぶつりと通信を切ってしまった。
何とも言えない沈黙が三人の間に横たわる。スピーカーから声が聞こえてくる様子はない。どうやら、三次試験に関する説明はあれだけのようだ。
「……んーと、とりあえず、行ってみる?確かあったよね、迷路の必勝法みたいなやつ」
「左手法か?あれは出口も外周上になければ意味がないんだが……まあ、行くか」
「途中にご飯とかないかな。オレお腹すいた」
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ハナミズキ - キルアが出てこなかった。。。。。 (4月4日 21時) (レス) @page24 id: 9174215e87 (このIDを非表示/違反報告)
mikitty(プロフ) - あけましておめでとうございます! (1月10日 17時) (レス) @page24 id: 75972ecbb8 (このIDを非表示/違反報告)
伊波トウナ(プロフ) - 続きはもう無いのですね... (2023年4月19日 12時) (レス) @page24 id: ce08f5279c (このIDを非表示/違反報告)
レイカ(プロフ) - 続きは書かないのでしょうか? (2020年4月13日 2時) (レス) id: 2f295bf970 (このIDを非表示/違反報告)
無題 - そうだったんですか…。残念ですけど、今まで楽しく面白い作品をありがとうございました!!貴方の作品、大大大好きでした。くらげ様の新しい作品、とても楽しみにしています。本当にありがとうございました!! (2019年5月11日 6時) (レス) id: 9aad1e7bf8 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:くらげ | 作成日時:2018年10月13日 20時