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処刑台に上がり込む死刑囚のような気分だ。
眩しく白に照らされた舞台の上、墨に汚れたローブを被せられ、値踏みをするような幾何百の視線を浴びせられている。
…この俺が、思考する脳さえも勿体ないような下劣な存在に弄ばれる玩具に成り下がるとはな。
「あぁ、糞…」
例えば今ここに"アイツら"が
俺の仲間達がいようものなら、こんな奴等、血祭りに上げたものを。
「9000万！」
「1億！」
「………」
…今頃、あいつらはどうしているのだろう。
死に物狂いで、俺を探してくれているのだろうか。
きっとそうなんだろうな。俺が総統という立場であってもなくても、きっとあいつらは_________
…だからこそ、いつまでたっても空白を決め込む空いた俺の椅子に、あいつらは己を手酷く責め立てるのだろう。
もう二度とは会えまい。
願わくば、俺と一時の生を共にしたあいつらが、一刻も早く俺の存在を忘れてくれるように。
俺という呪いから一日でも早く解放されるように。
切に願う。
さぁ、俺を競り落とすのは、この中の誰だ。
『8億』
____________ゆっくりと顔を上げる。
………可笑しい、まだ少女のような幼い声がしたが。
「き、9億！」
『10億』
淡々と金額を上乗せする女。どこだ。
視線を動かして、その正体を見極めようと試みる。
ふと、目が合った。奥の客席に座る女に。
黒い髪に、白いジャケットを羽織っている。
彼女から俺を品定めするような気配は不思議と感じられなくて、
…その瞳の奇麗な深紅から、目を離せずにいた。
その女は席を立ち、俺がいる舞台に上がり込んで、そして____________
『_________総統サマ、』
がくんと頭が落ちたような感覚。
『総統サマ、起きて下さい』
そして、自分の体がふわふわと浮かんでいるような、どこか心地の好い浮遊感。
『総統サマ！』
耳元で響いた、夢の中で聞いたそれと同一の声、そして突然肩に触れた暖かな体温に、思わず体が震えた。
「！」
俺は目を開け、勢い良く上体を起こす。
『ぅ！？』
と、真横から声が聞こえて其方を見れば、夢の中の女がそこで尻餅をついていた。
白い部屋のベッドに横たわっている俺は、そこで初めて、昨夜"彼女"からこの部屋を譲り受けたことを思い出す。
そして、
…
…Aに買い取られたことも。
柔らかな陽光がカーテンを透かし、部屋に光の水溜まりを落とす。
朝だった。
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お月様 - 滅茶苦茶おもろかったです！待ってたけどようやく27話でロボロさんの所出た！続編おめでとうございます！ (2021年1月2日 17時) (
レス) id: b347abc4d4 (このIDを非表示/違反報告)
セツナ - 火ぃつけろ火ぃぃぃぃ！！！wwww腹筋バキバキになったんですけど腹筋返して（）神様お疲れ様です！ (2020年5月26日 21時) (レス) id: 274ac26baa (このIDを非表示/違反報告)
しゃち - 43の最初にある有限実行の“限”は“言”ではないでしょうか？勘違いでしたら申し訳ございません。ラットさんの作品大好きです！ (2020年4月16日 13時) (レス) id: 6540cc437a (このIDを非表示/違反報告)
蓮 - うますぎませんか！？画力をわけて！！更新頑張ってください！！応援してます！！ (2020年4月3日 23時) (レス) id: 5db7ec7919 (このIDを非表示/違反報告)
楓@卍教 - 絵も文もうまいだと…？神…？いや天才…？(錯乱)まじで好きです応援してます (2020年3月21日 15時) (レス) id: 84c734c3e6 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ラット
| 作成日時：2019年11月16日 21時
