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『…いいえ、電話の時点でそう考えるのは無理ありません。
私もここへ来た時、一方的な殺戮を受けなくて安心しました』
今度こそ屈託なく笑う私に、トントンさんもどこかほっとしたような笑みを浮かべる。
「もう何か、今さっきのぺ神と君との会話で薄々分かってはおるんやけど、ここまでグルさんに世話焼いてくれた理由、改めて教えてくれへん？」
と、頭にトルコ帽を被った男性が、トントンさんの後ろから柔らかく質問してきた。
『ぺ神さんへの日頃の恩返し。それから私自身、我々国がとても好きなので、それら全てを含んだ善意…です』
「参ったな…こら何か礼せんとアカンわ」
本当に困ったように笑うトントンさんを慌てて片手で制す。
『いえ、私は本当に、そういう見返り欲しさで助けた訳じゃないですから…だって総統サマ、十億したんですよ』
「十億！？」
幹部たちの声が重なり、その戸惑い様を彼等は露にした。
「そら…確かに俺らから礼貰うより自分で物買った方が早いな…」
『でしょう？』
そう、私が言った時だ。
冷たく研ぎ澄まされた殺意が、私の胴体をぐさりと貫いた気がして。
風を切る音と共に気配を感じたもんだから、咄嗟に真横へ跳ぶ。奇麗に整えられた芝生に着地して見れば、先程まで私が立っていたそこには大柄なサバイバルナイフが地面に突き刺さっていた。
柄が向いた方向には、一人の男が。
深緑のパーカーを着込んだその人は、フードの奥から冷たく此方を睨み付けている。
「…やっぱお前信用できへんわ。
グルさんから離れろ」
『！』
またもナイフの切っ先を向けられれば、"離れろ"と言われても動くことが出来ず。
「…ゾム、彼女を殺すなら俺を刺してからにしろ」
私の前に立ちはだかる彼の背中に驚くも、迷いは一切感じられない。
「グルさんどけや。その女ぶっ殺したんねん」
「お前がそこまでして彼女を疑う理由は何だ。
そこまで激烈な殺意を向ける理由は」
「…俺からしたら、何で皆そいつのこともう信用してんのか分からんけどな。
怪しすぎるやろ」
________裏社会に精通しとる女信用できるほどお人好しじゃないねんこっちは。
そう言われて、再び剥き出しの殺意を浴びせられる。
成る程
『…用心深い、良い部下をお持ちのようですね』
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お月様 - 滅茶苦茶おもろかったです！待ってたけどようやく27話でロボロさんの所出た！続編おめでとうございます！ (2021年1月2日 17時) (
レス) id: b347abc4d4 (このIDを非表示/違反報告)
セツナ - 火ぃつけろ火ぃぃぃぃ！！！wwww腹筋バキバキになったんですけど腹筋返して（）神様お疲れ様です！ (2020年5月26日 21時) (レス) id: 274ac26baa (このIDを非表示/違反報告)
しゃち - 43の最初にある有限実行の“限”は“言”ではないでしょうか？勘違いでしたら申し訳ございません。ラットさんの作品大好きです！ (2020年4月16日 13時) (レス) id: 6540cc437a (このIDを非表示/違反報告)
蓮 - うますぎませんか！？画力をわけて！！更新頑張ってください！！応援してます！！ (2020年4月3日 23時) (レス) id: 5db7ec7919 (このIDを非表示/違反報告)
楓@卍教 - 絵も文もうまいだと…？神…？いや天才…？(錯乱)まじで好きです応援してます (2020年3月21日 15時) (レス) id: 84c734c3e6 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ラット
| 作成日時：2019年11月16日 21時
