【ポケモン】晴天の私、或いは霹靂の貴方【デンジ】 (ページ2)

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1-太陽の街とは名ばかりのページ2

日が暮れて尚、いや、日が暮れたからこそ、数多のビルや電力供給が為の多くの鉄塔、そしてこの街のシンボルであるシルベの塔台が煌々と輝く…正に地上の星と形容して差し支えないナギサシティ。
その景観をじっくり眺めることもままならず、

『______…何？あんた達は』

私は…妙な男の集団に取り囲まれてしまっていた。

街の入口から進んで北端にある浜辺の方_____丁度高架橋の真下に差し掛かり、街頭の灯りが届かなくなったところで、突如暗がりから近付いてきた三人の見知らぬ男たちを起点として、凡そ円形に。

タウンマップ片手に宿を探していたところなのに…

「失礼なお嬢ちゃんだなァ。初対面のお兄さんに向かって"あんた"はねぇだろ。あと、歳上には敬語使いな」

『女性が歩く道を突然塞ぐような礼儀知らずの方が、よっぽど"ない"わよ。

私、旅の者でね。日も暮れたこの時間、ティッシュ配布のアルバイトさんの話をこれ以上聞く事よりも、ホテルの空き部屋探す方が重要だってことは分かって貰える？』

開いていたナギサシティの拡大マップを閉じ、抗議の意を示すように腕を組んで、此方も負けじと言い返した。

途端、私を囲む彼等の間に絶えずさざめいていた下品な笑い声と、漂う淀んだ空気に亀裂が入る。

「だから…敬語を使えよ」

「あとな」

「"ティッシュ配布のアルバイト"だと…？」

失笑混じりの私の言葉に対し、震えたそれは、強圧的な口調で凄んだ。

「______我々ギンガ団に向かって大層な言い種だな、小娘！」

『…！』

先の言葉と同時に、私を中心に円を形成していた集団が、一気に距離を詰めてきた。そうして、岩壁や暗がりから姿を現した彼等の全貌が、ようやく明らかとなる。

一様に透き通ったシエルブルーに染めたおかっぱ頭をして、表現し難い…強いて言うなら、レオタードに生地を重ねたようなデザインのスーツを着ている。

統一感のある異様な外観を見て、彼等が只の厄介な街の不良では済まない事に、私はここにきてようやく気が付いたのだった。

どこにでもいる、取るに足らないゴロツキだと侮った事を少し後悔。
動揺する内心を抑えつつ、腰に括り付けたモンスターボールに手を添え、身構えた。

誰か大人のひと…警察____！

「まぁ、謝罪は後でたっぷり貰うこととして…用件は元より決まっている。どうせ貴様、15かそこらにも満たん餓鬼だろう。レベルの高さは見込めないが…

怪我したくなければ、お前の手持ちのポケモンと有り金

此処に全て置いて行け」

何だって？

今

ポケモンを寄越せと言ったのだろうか。