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20□幸せを運ぶ風2 ページ8

そんな紗理奈は私の気持ちを知ってか知らずか
え、誰ですか?なんて興味津々で。
ちらりと私を見る小野寺さん。
その先の言葉を聞きたくなくて、
先練習行きますね!なんてそこから離れた。





「もーやだ」

「Aさんめちゃくちゃ負のオーラ漂ってますけど」




ストレッチをしながら、ぐでんと前に倒れれば
近くにいた西田くんが寄ってくる。




「……」

「どーしたんすか」





私の様子にケラケラ笑う西田くん。心配してくれないらしい。
ひどい、その言葉にごめんなさいなんてすぐに謝ってきた。






「なんか悩みっすか?」

「……」

「まあ、Aさんのことだから小野寺さんのことでしょうけど」

「…なんでよ」

「別にAさんが心配することなんて何もないと思いますけどねー」





西田くんのよくわからない助言に首を傾げてれば、
私の腰にボールがコロコロと転がってきた。
転がってきた方に視線を向ければ、そこには小野寺さんがいて。
小走りでこっちに向かってくる。





「ごめん、変な方に飛んだ」

「いえ、転がってきただけなんで大丈夫ですよ」





そういうや否や、ちらりと西田くんを見る小野寺さん
そんな西田くんは俺も練習してこよー、なんて颯爽と去っていく。

ボールを持つ私と、立ち尽くす小野寺さんと。
ボールを小野寺さんの方に差し出すけど、なかなか受け取ってくれない。






「…小野寺さん?」

「Aちゃんって、西田と仲良いよね?」

「え?あー…まあ、なんか懐いてくれてはいますけど」

「西田みたいなのがタイプ?」

「いやいや!私は…」

「…私は?」

「な、何でもないです」

「…残念」






そう言って私からボールを受け取る小野寺さん
…何が残念?






「Aちゃんの好きなタイプ聞けるかなって思ったんだけど」

「え、」

「あとは、西田と仲良さそうなのがちょっと嫌だっただけ」

「…!」






そう言って、小野寺さんは行ってしまった。
かああっと赤くなってるだろう私の顔。
それはつまり、…え、そういうこと?

練習を再開する小野寺さんの顔が少し赤くなってるように見えたのは気のせいかな








幸せを運ぶ風




(…Aちゃんかなぁ)
(え、そうなんですか?!)
(いつもニコニコしてるし、そういう子がいいかな)
(あの子、ガツガツ行かないと気付かないと思いますよ?)
(そうなの?…あ、西田がいる。じゃあ行ってくる)
(行ってらっしゃい!)

11□年の差なんて関係ないよね→←20□幸せを運ぶ風



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noranekosan(プロフ) - リリさん» リリさんはじめまして。ありがとうございます!私もリリさんのお話読ませて頂いてたので嬉しいです。゚(っ゚´ω` ゚c)゚。今後も頑張って書いていくので、是非とも見ていってください!! (2019年11月12日 22時) (レス) id: e3a91e1b0b (このIDを非表示/違反報告)
リリ(プロフ) - はじめまして。いつも楽しく読ませていただいています。のらねこさん(とお呼びしていいのでしょうか?)の書かれるお話どれも素敵なので、これからも楽しみにしています(*´˘`*) (2019年11月12日 16時) (レス) id: 3f90fe2b5d (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:as | 作成日時:2019年11月2日 2時

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