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20□幸せを運ぶ風 ページ7

「あ、小野寺さんいるよ」

「え?」






体育館に着いた瞬間、紗理奈が私に向かって呟いた。
一際背が高い彼は、パッと見てすぐに見つかる。
同じポジションである盒兇気鵑範辰靴討詒爐蓮∋折可愛い笑顔を浮かべてた。

…今日もかっこいい。

そんなことを思ってたら、紗理奈に横腹をつつかれる。





「ちょっ!」

「Aってばほんと小野寺さんのことしか見てないよね」

「そんな見てないし」

「いーや。練習中も見てます」

「見てない!」





私たちの声が大きかったのか、話してた2人はこっちを見てて。
というか、他の人たちも見てたんだけど。
顔に熱が集まっていくのを感じる。…恥ずかしい。
そんな彼は私の方に向かって歩いてきた。






「おはよう、Aちゃん」

「おはようございます、」






今日は髪結んでるんだね?そう笑顔で聞いてくる小野寺さんは少しあざとい気がする
ちょっと伸びてきて…そう答えれば、俺も伸びてきたんだよなーなんて自分の髪を触って確認してる。

私よりもはるかに高い身長は見上げるほどで。
少し首が痛くなりそう。

そんな私に気付いたのか、少し屈む仕草をしてくれて
目線がさっきよりも近くなって、距離も近くに感じる。






「……!」

「首痛くなるよね、ごめん」

「い、いえ!全然大丈夫です!」

「本当?ならいいけど」






少し低い声が心地よくて、
そんな彼にAちゃんなんて呼ばれる日には
ただただ幸せな気持ちになる。

そんなことを紗理奈に言ったら
ほんとに好きなんだねー、なんて言われたけど。

最初はそんなに意識してなくて
ただ、全日本として大先輩である小野寺さんとは
年が近いこともあって可愛がってもらうことも多くて。
そんな中で気づけば芽生えてしまった感情に
この2年ぐらいはずっと恋してる感じだ。

早く言えばいいのになんて周りからは言われるけど
そんな簡単に言えたら苦労はしないと思う。





「そういえば、小野寺さんって彼女さんとかいるんですか?」

「え?」

「ちょっ、紗理奈」

「いないけど」

「じゃあ、気になる人とかは?」

「…まあ」

「いるんですね!」

「……!」




彼女がいないことに心の中でガッツポーズはしたけど
その後の言葉に何も声が発せなかった。
……いるんだ、気になる人。
なんかそれがあまりにもショックで。
人間だもの、好きな人ぐらいいても当たり前なんだけど。
もやもやとしたものが心に渦巻いていく。








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noranekosan(プロフ) - リリさん» リリさんはじめまして。ありがとうございます!私もリリさんのお話読ませて頂いてたので嬉しいです。゚(っ゚´ω` ゚c)゚。今後も頑張って書いていくので、是非とも見ていってください!! (2019年11月12日 22時) (レス) id: e3a91e1b0b (このIDを非表示/違反報告)
リリ(プロフ) - はじめまして。いつも楽しく読ませていただいています。のらねこさん(とお呼びしていいのでしょうか?)の書かれるお話どれも素敵なので、これからも楽しみにしています(*´˘`*) (2019年11月12日 16時) (レス) id: 3f90fe2b5d (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:as | 作成日時:2019年11月2日 2時

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