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11□特別を望む心2 ページ35

祐希さんのその声に顔を上げれば、
Aさんがコートに入ってきたところだった。隣には関田さんを連れて。

同じぐらいの身長の2人が仲良く歩いてる。

…ああ。辛い。

でも、お似合いだな、なんて思ってしまう。羨ましい。








「…お前がもう少し早くあいつに会ってれば、チャンスはあったかもね」

「……ほんとっすか」

「だって、さっき西田くんって可愛いよねって言ってたし」

「……それ、慰めてます?」

「…慰めになってない?」

「かっこいいって言われるなら分かりますけど。可愛いってなんかもう絶対違うと思うんですよね」

「……まあ」








否定しないで、確かに、なんて顎に手をやる祐希さん
この人絶対俺のこと慰めるつもりなんかないと思う
とにかく、元気出せ、なんて俺の背中をバシッと叩く祐希さん
………ちょっとかっこいいからムカつくけど。


彼女がこっちに走ってくるのが見えて、思わず固まる。







「祐希、」

「ん?」

「コーチが呼んでたよ」

「ありがと」





祐希さんがゆっくり離れていって、
コートの端には俺とAさんだけが残される。






「祐希と仲良いんだね」

「まあ。憧れてますから」

「そうなんだ。やっぱ祐希はさすがだね」






そう言って祐希さんの方をじっと見つめる彼女の横顔は綺麗で
間近で見ると尚思う。…やっぱり好きだなぁって







「Aさんって、関田さんと付き合ってるんですか?」

「祐希から聞いたの?」

「…はい」

「まあ、本当だけど」






いざ言われると照れるね、
そう言って俺に笑いかけるAさん。

西田、そう呼ぶ柳田さんの声が聞こえて立ち上がる。






「頑張って」

「はい」






俺にまたその可愛らしい笑顔を向けるから
しばらくは諦められそうにもないな、なんて思った。








特別を望む心





Aさんにとっては、まだ可愛い年下ぐらいにしか思ってないだろうけど
彼女にとって、少しでも特別な存在になれるようになりたい
例えそれが恋人じゃなくても、
それぐらい望んだってバチは当たらないでしょ?







title.恋したくなるお題

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←11□特別を望む心



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noranekosan(プロフ) - リリさん» リリさんはじめまして。ありがとうございます!私もリリさんのお話読ませて頂いてたので嬉しいです。゚(っ゚´ω` ゚c)゚。今後も頑張って書いていくので、是非とも見ていってください!! (2019年11月12日 22時) (レス) id: e3a91e1b0b (このIDを非表示/違反報告)
リリ(プロフ) - はじめまして。いつも楽しく読ませていただいています。のらねこさん(とお呼びしていいのでしょうか?)の書かれるお話どれも素敵なので、これからも楽しみにしています(*´˘`*) (2019年11月12日 16時) (レス) id: 3f90fe2b5d (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:as | 作成日時:2019年11月2日 2時

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