20□ほら、大勝利!3 ページ33
彼女のじっと見つめてくる瞳に心臓がバクバクと波打つ
でも、今がチャンスなのかもしれない
…次いつ会えるかなんてわからない。
もしかしたら彼女に良い人が見つかってしまうかもしれない。
長年の信頼関係が崩れることになったとしても
伝えないで後悔するよりはずっと良い。
もし彼女にもうそういう人がいたとしても、
好きな人がいたとしても、その時は応援すれば良いから。
「……俺、ずっとAのこと好きなんだ」
「え?」
「社会人になって、会うことも連絡することも少なくなったけど。…だからこそ、いま言わないと後悔すると思うから」
俺の言葉をただじっと聞いてくれる彼女に
少し逃げ出したい気持ちも溢れてくる
けど、そんな彼女は俺に笑いかけた。
「小野寺くんが、私のこと好きでいてくれてるのは知ってたよ?」
「え?いつから?」
「大学の時、周りが教えてくれたから。私も好きだったんだけど、なかなか伝えれなかったし、小野寺くんも言ってくれないし。社会人になって会わなくなって、小野寺くんの気持ち変わってたらどうしようって思ってた」
「……」
「だからね、いますっごく嬉しい」
そう言って笑う彼女の目には少しだけ涙が滲んでて。
もっとずっと前に伝えてれば
彼女がこんな顔なんてしなかったかもしれない。
「…ごめん」
「何で謝るのよ」
「ずっと好きだった」
「…うん、私も」
そっと彼女を抱き寄せれば、下の方からヒューヒューなんて声が聞こえてきて
慌てて後ろを見れば、西田や盒兇気鵑燭舛じっと俺たちを見てた。
……みんながいるの忘れてた
そうぼそっと呟いた俺に彼女はくすっと笑って
それだけでも俺の心をくすぐっていく。
「行っておいでよ。みんな待ってるよ」
「うん、行ってくる」
冷やかす西田の首に腕を回して、わちゃわちゃする俺たちを
彼女は笑顔でずっと見守ってくれていた。
ほら、大勝利!
title.現実主義者
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noranekosan(プロフ) - リリさん» リリさんはじめまして。ありがとうございます!私もリリさんのお話読ませて頂いてたので嬉しいです。゚(っ゚´ω` ゚c)゚。今後も頑張って書いていくので、是非とも見ていってください!! (2019年11月12日 22時) (レス) id: e3a91e1b0b (このIDを非表示/違反報告)
リリ(プロフ) - はじめまして。いつも楽しく読ませていただいています。のらねこさん(とお呼びしていいのでしょうか?)の書かれるお話どれも素敵なので、これからも楽しみにしています(*´˘`*) (2019年11月12日 16時) (レス) id: 3f90fe2b5d (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:as | 作成日時:2019年11月2日 2時