検索窓
今日:1 hit、昨日:5 hit、合計:63,791 hit

20□ほら、大勝利!3 ページ33

彼女のじっと見つめてくる瞳に心臓がバクバクと波打つ

でも、今がチャンスなのかもしれない

…次いつ会えるかなんてわからない。
もしかしたら彼女に良い人が見つかってしまうかもしれない。
長年の信頼関係が崩れることになったとしても
伝えないで後悔するよりはずっと良い。

もし彼女にもうそういう人がいたとしても、
好きな人がいたとしても、その時は応援すれば良いから。






「……俺、ずっとAのこと好きなんだ」

「え?」

「社会人になって、会うことも連絡することも少なくなったけど。…だからこそ、いま言わないと後悔すると思うから」





俺の言葉をただじっと聞いてくれる彼女に
少し逃げ出したい気持ちも溢れてくる

けど、そんな彼女は俺に笑いかけた。






「小野寺くんが、私のこと好きでいてくれてるのは知ってたよ?」

「え?いつから?」

「大学の時、周りが教えてくれたから。私も好きだったんだけど、なかなか伝えれなかったし、小野寺くんも言ってくれないし。社会人になって会わなくなって、小野寺くんの気持ち変わってたらどうしようって思ってた」

「……」

「だからね、いますっごく嬉しい」




そう言って笑う彼女の目には少しだけ涙が滲んでて。
もっとずっと前に伝えてれば
彼女がこんな顔なんてしなかったかもしれない。






「…ごめん」

「何で謝るのよ」

「ずっと好きだった」

「…うん、私も」






そっと彼女を抱き寄せれば、下の方からヒューヒューなんて声が聞こえてきて
慌てて後ろを見れば、西田や盒兇気鵑燭舛じっと俺たちを見てた。

……みんながいるの忘れてた

そうぼそっと呟いた俺に彼女はくすっと笑って
それだけでも俺の心をくすぐっていく。





「行っておいでよ。みんな待ってるよ」

「うん、行ってくる」





冷やかす西田の首に腕を回して、わちゃわちゃする俺たちを
彼女は笑顔でずっと見守ってくれていた。








ほら、大勝利!






title.現実主義者

11□特別を望む心→←20□ほら、大勝利!2



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 10.0/10 (65 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
254人がお気に入り
設定タグ:全日本男子バレー
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

noranekosan(プロフ) - リリさん» リリさんはじめまして。ありがとうございます!私もリリさんのお話読ませて頂いてたので嬉しいです。゚(っ゚´ω` ゚c)゚。今後も頑張って書いていくので、是非とも見ていってください!! (2019年11月12日 22時) (レス) id: e3a91e1b0b (このIDを非表示/違反報告)
リリ(プロフ) - はじめまして。いつも楽しく読ませていただいています。のらねこさん(とお呼びしていいのでしょうか?)の書かれるお話どれも素敵なので、これからも楽しみにしています(*´˘`*) (2019年11月12日 16時) (レス) id: 3f90fe2b5d (このIDを非表示/違反報告)

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:as | 作成日時:2019年11月2日 2時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。