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ボーッとした頭で、相澤先生とヴィランたちの戦闘を見ていた。
『…!』
パシンッ
「死齊くん?」
突然頬を挟むようにして叩いた俺に、横から麗日さんが見上げる。
駄目だ。目を覚ませ。いくら知り合いがヴィランだったからって、手を抜いちゃあ………
…死柄木さん……
彼は俺に気づいているだろうか。ヒーロー科ということは伝えていないはずだ。
いや、とにかく、どうすれば
「死齊くん、何やってるんだ。早く避難を!」
「させませんよ」
ブワッと闇が俺たちの目の前に現れた。
そこからヌッと顔を出したのは、死柄木さんではなくこの個性の持ち主と思われる人物だった。
「初めまして、我々は敵連合。せんえつながら、この度ヒーローの巣窟、雄英高校に入らせて頂いたのは」
闇を纏うその人は、ひどく落ち着いた声で淡々と話している。そしてこう言った。
___「平和の象徴オールマイトに、息絶えて頂きたいと思ってのことでして」
は、
な、にを。
『っ!』
オールマイトを殺す、という意味合いの言葉を聞いた途端、俺の身体がかっと熱くなった。
俺は個性を発動させながらそいつに拳を突き出す。途端に俺を包む黒いモヤ。
思わずギュッと目をつむる。
『…は』
地に足がついた感覚があり、俺は目を開けた。目の前に広がるのは未だヴィランと対戦する相澤先生。
ということは
バッと後ろを振り返る。そこにはやはり死柄木さんの仲間と皆の姿が。
『ワープ系個性…』
厄介な個性だ。こいつの力がワープだけに留まっていることを祈る。
と、次の瞬間爆発音と共に2つの影がアイツを襲った。
爆豪と切島だ。
「その前に俺たちにやられることは考えてなかったか!?」
流石に防ぐのが大変だったらしい。彼は「危ない危ない」と息をついている。
「そう、……生徒といえど優秀な金の卵」
俺は足に力をこめた。
「ダメだ!どきなさい3人とも!」
13号の叫びを聞いて俺たちはピタリと動きを止める。だがもう遅い。
最初は翼かと思った。
黒い烏のような翼が俺たちを包むのだと。だが違った。俺たちを包むのは完全なる虚無だ。
何の効果もないが、俺は顔の前で両腕をクロスさせた_____
・
暗転、重力を全身で感じ、目を開く、光、立っている1人の人物。
「おいおい…お前がヒーロー科なんて聞いてねぇよ」
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華 - 見れない (2022年2月3日 16時) (レス) @page9 id: a84a63e21d (このIDを非表示/違反報告)
彪李 - たけのこです!! (2021年9月5日 9時) (レス) id: b0b23287c8 (このIDを非表示/違反報告)
鈴鹿 - 絶対タケノコ! (2021年8月20日 6時) (レス) id: 2e973fc2c9 (このIDを非表示/違反報告)
ライア@Liar_onlooker - いつの間にかタケノコ派ofキノコ派かになっている件wwwちなみに自分はパイの実派です() (2021年1月23日 23時) (レス) id: 0b6d81382b (このIDを非表示/違反報告)
おと姫と愉快なサカナたち(プロフ) - わしゃ断然タケノコじゃ! (2020年7月13日 21時) (レス) id: e21618e8ed (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:キバ | 作成日時:2018年5月15日 14時