【ヒロアカ】お前…地味男じゃなかったのかよ……（震） (ページ16)

今日:12 hit、昨日:0 hit、合計:291,504 hit

14 ページ16

「やるじゃないか！」

核兵器の側まで来たのはいいが、すぐさまオールマイトがこちらに走ってきて、勢いよく俺の足元に拳を叩きつけた。

コンクリートの床に穴が空く。

後退を余儀なくされ、次の手を打つことにした。

俺は横に飛び、柱の影に隠れた。

そのまま追ってくるオールマイトから逃げるように部屋を駆け巡る。

「逃げるばかりじゃ何もならないぜ！さぁ、どんどんタイムアップが近づいてくるぞ！」

ヴィラン役楽しんでるのかな…すごい煽ってくる…。

そんなことを思いながらも天井の鉄パイプに掴まったり、柱に回ったりする。時々オールマイトはその拳を振るった。柱が倒れ、建物がグラつき、ビル自体が崩壊してしまうのではないかとヒヤヒヤしていると、ついに好機は訪れた。

オールマイトが右足を踏み出すと同時に、

俺は"ワイヤー同士を金具でカチリと繋げた"。

「！！」

オールマイトの踏み出した足にワイヤーが引っ掛かり、部屋中に張り巡らされたワイヤーが一気にオールマイトを縛りにかかった。

「ぬぅ！ワイヤートラップか！」

そう。俺が余計に逃げ回っていたのは罠を仕掛けていたせい。

オールマイトが柱を壊すせいで、その度に張り直さないとだったから時間がかかった。

しかしなるべく天井の四隅にあるパイプや角の柱を狙ってワイヤーを引っかけたので、罠自体は気づかれなかったようだ。

俺は引きちぎられない内に核兵器に触れようと走り出す。

一応ワイヤーは二重三重に重ねておいたけど、相手はオールマイトだ。いつﾌﾞｯﾁｨされても可笑しくない。

核兵器の冷たい感触を確かめたところで、放送が入った。

「ヒーロー、WIN」と。

「やられたよ死齊少年」

『光栄です』

ワイヤーを解こうと手を伸ばしたら、オールマイトは自らの力で引きちぎった。

やっぱり平和の象徴は違うなぁ。色んな意味で。

「まさか罠を張っていたとは気が付かなかったぞ！それに、私の拳を捌くとは大したものじゃないか！」

そう言って彼はHAHAHA！と豪快に笑う。

『…すごい怖かったです』

俺がポツリと呟くと、オールマイトは俺の肩にポンと手をのせた。

「そうだとも、ヴィランに立ち向かうのは怖いさ。それでも君はこの雄英高校ヒーロー科に入学し、今勝利を勝ち取ったんだ。」

「君は、最高のヒーローになれる！」