幼馴染みの特権【牛島若利】2 (ページ1)

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中学時代、俺はこいつと出会った

最初は身長も低いし同じポジションで親近感を覚えていて気になっていた
中総体で俺はこいつと出会った、ちょうど2年の頃かな、お互い試合でどんなプレイをするのか楽しみだった

千鳥山中学校対白鳥沢学園

俺は絶句した、

「なんだよ、これ」

俺と西谷夕のプレイは酷似していたのだ
瞬発力と威圧感、そして何よりも体力の底無し
アイツは叫んだんだ、"俺に背中を任せろ!!!!!"って、あいつ1年だろ???なんでまず試合に出れてんだよ、
3年が引退したから???千鳥山だって強豪校だ、人数だって千鳥山の方のベンチを見れば察することだってできる

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「…この、このプレイを出来るのは俺だけだ
なんであんなヘナチョコちびに取られなきゃいけないんだよ」

圧倒的に白鳥沢は勝っている
でも、何故かイライラがひどく募った
死ね、早くコートから出ろ、コートを守るだなんて俺がいれば十分だろ、やめろ、いなくなれ

呪文のように唱えた

「A」

若利に呼ばれ我に返るがイライラ感が増す

イライラしながらなんだよってぶっきらぼうに言うと

若利の匂いに包まれた

「へ、」

なんだよ、気持ちわりぃな、やめろよ、休憩中だからって、やめろよ、安心して泣きそうになるだろ、お願いだから、やめて

「俺の隣りも俺の後ろも、Aのものだ
落ち着け」

泣いた、試合なんてもう1セットやれば勝てるのに
勝てるって確信が出来るほど千鳥山とはレベルが違うのに

不安だったんだ、西谷夕とかいうクソ生意気なリベロがいることで俺の立場無くなるのが、不安だったんだ

「ありがと」

そう言って俺は若利を抱き締め返した