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【試合終了】
【セットカウント
【勝者:烏野高校】
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俺の目の前に落ちたボールは静かにその場にいた人間を注目させた
そしてゆっくりと笛は鳴り、俺たちへ現実を突きつける
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「…さよなら、俺の"当たり前"」
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「ああああ!!!!???」
「マジかよー!!」
「"烏野春高全国"」
「"出場だ…!!!!"」
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そんな声が体育館に響かせる
烏野は未だに"勝った"ことを信じられないのか立ち上がれない奴や泣いて抱き合っている奴らばかりだった
俺達は、当たり前のように毎回行っていた舞台に行けることへの喜びだろう
一方で白鳥沢、バレー部の俺達は烏野と同様に"負けた"ということを信じられないのか全員が立ち尽くす
それほど、お互いに信じられないことが起きたのだ
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若利はふらつく俺を支えながら整列させる
俺は前に立つ俺と同じ背番号の"4"の数字の相手を見る
そいつはいつもの目が違くて、試合している時でも俺に馴れ馴れしく触れ合ってくる時の目でもない
もっと別の、違う目で俺を見てきた
俺は今どんな顔だろうか
わからない、
きっと目は気持ち悪いことになっている
無言でしっかりと俺は西谷夕の手を握った
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若利は俺の背中に手を回し支えながら歩く
身長差が酷いせいか、少し若利が屈む形になっている
歪過ぎるその光景だったんだと思う
「…白布、大丈夫か」
「あ、ハイ
ちょっと混乱してて、」
「負けるなんて、思わないじゃないですか」
「まぁ…負けると思ってココに居るやつは居ないよなあ」
大平と白布の会話に俺は涙腺が千切れた
思わずその場でふらつき座り込んでしまったんだ
若利は俺を支えきれずに一緒に落ちる
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悔しくて、悔しくて、でも、烏野は、
烏野は、すっげえカッコよくて、それもすごく悔しくて
「若利、俺さ、ちゃんと活躍したよな?」
「ああ」
「皆の、皆の、邪魔にならないバレー出来たよな?」
「当たり前だろう」
"当たり前"
その言葉が欲しくて愛おしくて悲しくて辛くて悔しくて、でも欲しくて
また泣いてしまうんだ
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覇月@ILOVE 青峰&リクオ(プロフ) - 頑張ってください!!応援してます!! (2017年4月5日 21時) (レス) id: ce7c31f5ec (このIDを非表示/違反報告)
衣屋 - 牛島若利好きなので嬉しいです!番外編楽しみです! (2017年4月3日 23時) (レス) id: a4f5ca556f (このIDを非表示/違反報告)
琉果 - 番外編楽しみにしてます! (2017年3月31日 10時) (レス) id: 04146746f4 (このIDを非表示/違反報告)
小夜 - 番外編読みたいです書いてくださいお願いします (2017年3月30日 19時) (レス) id: b5f3f1aed9 (このIDを非表示/違反報告)
零優 - 番外編を書いて欲しいです!お願いします!! (2017年3月30日 13時) (レス) id: 82ad37b468 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:騎虎 | 作者ホームページ:https://mobile.twitter.com/mkf0gl
作成日時:2017年3月20日 21時