＿＿＿＿６ ページ6
.
その日の夕方、ラフな格好をしてリュックを背負った彼とまたアパートの前で鉢合わせてしまった。
「んはは、よく会いますね」
朝よりもいくらか顔色を良くした彼がスーパーの袋を提げていて、私を見てまた笑ってくれた。
「本当、よく会うね」
私にしたらその整ったお顔を見られるなら何度鉢合わせてもいいんですけどね！？
なんて気持ち悪いことを思いながら、頼りになるお隣さんを演じた。
彼が提げた袋には卵が2パックとレタスとウインナーと温めるご飯だけが入っていて。
朝食.....？
スーパーで買い物とかするんだ。
なんて、意外と生活感を感じて顔が緩みそうになる。
「目黒くんって自炊とかするんだね」
「自炊っすか？いや....あんましないっすよ」
「え？じゃあそれは、」
「あぁ、これっすか？」
彼は提げていた袋を掲げながら話を続けた。
「これは常備品っすね。いつもだったら出来合いのもの買って済ませるんすけど、急に来て『おなかすいた』って言われても困るんでこの辺は常備しとくんすよ」
ん....？
急に来て？
「でもまぁこんなのばっかだと『また卵？』とか言われるんすけど」
「あはは....そう、なんだ」
目黒くんは、ふふっと笑いながら愛おしそうな表情を浮かべていて、そんな表情を見て何故かチクリと胸が痛んだ。
.
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 3351人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を含むプレイリスト 
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
cleam(プロフ) - あちゅ。さん» ありがとうございます....！実際に体験を....😳懐かしさまで感じていただけるなんて光栄です😭そして別作品にも興味を持ってくださりありがとうございます（ ; ; ）とっても嬉しいです（ ; ; ） (2021年12月25日 23時) (
レス) id: c295088e12 (このIDを非表示/違反報告)
cleam(プロフ) - Yuiさん» ありがとうございます（ ; ; ）感情移入までしていただけるなんてとても嬉しいです（ ; ; ）待ち望んでくださる方がいてとても幸せです。残り数ページで短編を投稿することにしたので、最後まで楽しんでもらえたら幸いです。 (2021年12月25日 23時) (レス) id: c295088e12 (このIDを非表示/違反報告)
cleam(プロフ) - しぇるさん» しぇる様、初めてのコメントありがとうございます....！そして嬉しいお言葉をありがとうございます（ ; ; ）余力がなくて移行が出来そうにないので、短編だけ書かせていただくことになりました....！続編を希望してもらえて光栄です。ありがとうございます（ ; ; ） (2021年12月25日 23時) (レス) id: c295088e12 (このIDを非表示/違反報告)
cleam(プロフ) - saeさん» ありがとうございます（ ; ; ）他の読者様からも有難いことに続編希望のコメントを頂いておりまして、続きを書こうと思ったのですが移行するほどの余力もない為、残りの数ページで短編を書くことにしました....！楽しんでもらえたら嬉しいです。 (2021年12月25日 23時) (レス) id: c295088e12 (このIDを非表示/違反報告)
cleam(プロフ) - ﾗ ｲ ｽさん» ありがとうございます（ ; ; ）きっとめぐろくんと生活を送ることが出来たら、支え合って凄く良い家庭になりそうですね☺️ (2021年12月25日 23時) (レス) id: c295088e12 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：cleam
| 作成日時：2021年11月13日 22時
