真っ白な世界。

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バンチャン視点



数週間後のカムバに向け


今日は作業室で編曲をしていた


STAYにいろんなパフォーマンスを見せたくて


今日も1人にやにやしながら作業をしていた


そういえば今日の朝


ボーカルトレーニングしてくる、と言って


俺より少し早めに宿舎を出たエル


今頃頑張ってるんだろうな


あとで飲み物でも持っていってやろう


そんなことを考えながら作業を続けていると


あっという間に数時間が過ぎていた


BC｢もうこんな時間経ったのか｣


ちょうど腹も減ってきたし


エルのところに行って一緒に飯でも食べよう


何を食べようか、何を出前しようか、


ルンルン気分でボーカル室まで歩いていると


どこからか叫び声に近いような泣き声がきこえてくる


廊下を歩いている職員さんもキョロキョロしながら歩いていた


ボーカル室に近づくにつれ


その声は大きくなっていく


BC｢エル？｣


まさかと思いながらエルがいるであろう部屋の扉をあけると


地面に座り、頭を曲げた膝に垂らし泣いているエルがいた


BC｢エル、どうしたんだよ、何があった｣


こちらの声はまるで耳に入っていないようで


肩を掴み体を揺する


すると、目に大粒の涙をため


泣き腫らした顔のエルがこちらを向いた


｢ヒョンっ｣


なんでエルが泣いているのか


普段からエルはあまり涙を見せない


メンバーの誰かが泣いていたら真っ先に駆け寄って


その背中を優しくさするような人間だ


たまに感動的な映画を見て泣いているエルは見た事があったが


STAYの前やメンバーの前で泣いているエルはほぼ見た事がない


デビューサバイバル番組でリノとフィリックスが脱落した時はそれこそ誰よりも大泣きしていたが、


だからエルのこんな姿は、


特に咽び泣くように泣いている姿は見たことがなかった


BC｢大丈夫だから、一旦落ち着け、な？｣


エルの背中へ腕を回し抱きしめる


…いつの間にこんなに細くなった？


驚くほど小さいその体を抱きしめながら


大丈夫、大丈夫だよ、と何度も繰り返した

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