Mellow

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みなさーーーーん！私がどうして女性社員のみんなから無視されてるかわかりましたよ！！！優しい後輩(男の子)が教えてくれました。


なんと、あの飲み会の日。
私を追いかけて田中さんが消えたことから、私が田中さんにお持ち帰りされたことになっているらしい…。そういう噂が広がって、田中さんはみんなのもの！って言ってる女性社員から敵認定されたみたいです。ちょっともうこれ泣いてもいい？


しかも何がひどいってね？
田中さんに直接真相を聞きに行った女の子がいるんだけど、田中さんってば否定しなかったんだって！！！お持ち帰りしたって！！！言ったらしいよ！！！ほんとなんなのあいつ意味がわからない！！！


別に挨拶を無視されるくらいどうってことないけど、いやメンタル的には辛いけど、それよりもうその噂がどんどん広がっていくのがこわい。


今日りょうくんはおやすみで家にいるって言ってたから、迎えに来てもらおう。申し訳ない気持ちもいっぱいあるけど今日はもう無理。気持ちが落ち込みすぎてるので、りょうくんに一刻もはやく会いたい。








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仕事が終わって帰ろうとしたら聞こえてしまったひそひそ話。(名字)さんって田中さんと付き合ってるらしいよ。付き合ってないです。むしろ嫌いです。ほんと噂ってやだどんどん尾びれついてるじゃん辛い


まぁいいさ。私には迎えに来てくれるりょうくんがいる。着いたよってラインが来て、慌てて会社を飛び出した。


ただいまって助手席に座ったら、にこにこ笑顔でおかえりをくれた。



「お疲れ様」

「りょうくん迎えに来てくれてありがと」

「いいよ。なんかあったの？」

「あったといえばたくさんあった」

「よし聞いてあげよう」


田中さんと付き合ってるって噂されてること、それを田中さんが否定しなかったったこと、そのせいで女性社員から無視されるようになったこと。高校時代のことを思い出して苦しくなったこと。



「しんどかったね」

「うん。疲れすぎてりょうくん呼んじゃった」

「呼ぶのは全然いいよ。行ける時は行くって言ったでしょ」

「神様りょう様」

「あ、それ久々に言われた」

「いつも思ってるよりょうくんは神様って」

「別に神様じゃないけどね」

「でもりょうくんがいなかったら今わたし絶対泣いてるもん」

「泣きたいんだったら泣いてもいいよ」

「……最近りょうくんの前で泣きすぎてるからやだ」


我慢してるなら泣きなって頭を撫でてくれるりょうくん。ずるい。お言葉に甘えて少しだけ泣こう。



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