Mellow

14*side R ページ14

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Aがうちに来てから三日が経った。今日俺は撮影で、Aは仕事。
撮影の合間、てつやの家で虫さんとご飯を食べてたら、Aからラインがきた。


"ただいま上司より誠に理不尽なことでお叱りを受けました。今夜はヤケ酒だ付き合ってねりょうくん"


なにこれかわいいんだけど。なにがかわいいってさ、Aって超酒弱いの。引越し祝いで一緒に飲んだらビール一杯で爆睡。そんなAがヤケ酒。うん、オレンジジュースでも買って帰ってあげよう。




「りょうくんなににやついてるの？いいことでもあった？」

「今一緒に住んでる子がいて」

「ちょっと待ってりょうくんその話僕聞いてないけど」

「言ってないからね。誰にも」

「えっその子は彼女？」

「まだ彼女じゃありません」

「まだってこれから彼女にする予定があるってことだよねさすがりょうくん」

「いやそれはわかんないけど。訳ありでうちに住んでるんだよ。てつやの幼なじみ」

「待って僕知ってるかも。Aって子？」

「そうその子」

「てっちゃんから話は聞かされてたけど、僕まだ会ったことないんだよね」

「週末の撮影見に来たいって言ってたし、虫さんにも会いたがってたよ」

「僕も会ってみたいし、撮影来るのは全然いいけど、てっちゃんは知ってるの？」

「来ること？」

「一緒に住んでること！」

「まだ言ってない。Aから言うって」

「拗ねるよ絶対彼は」



確かに。絶対てつやは拗ねる。その姿がはっきりと浮かんできて笑ってしまう。



「うわーりょうくんこわ」

「なにが？」

「ちょっと楽しんでるでしょ」

「そんなことないよ」

「てっちゃんかわいそう」

「だって虫さん、この部屋に女の子が住めると思う？」

「それは無理。絶対無理。てつやに食べられる」

「でしょ」

「うん。りょうくんを選んで正解だ」





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