【カゲプロ】＊メカクシティ育成ゲーム＊エネver.*２* (ページ10)

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『桃湖さん、今日どこかでパーティーでもあるんですか？』

エネちゃんは自分が着ている服を見て、きょとんとした顔でそう言う。
今回私がエネちゃんにあげた服は水色のドレスで、銀色のティアラが乗っている。
今思ったけど、エネちゃんって何でも似合うな～……。

『桃湖さん、買ってきてくれてありがとうございます！』

そう言って笑うエネちゃんの周りに沢山のハートが浮かび上がり、それらはゲージへと吸い込まれていってゲージは満単になり、レベルは20に上がった。
するとエネちゃんに吹き出しが再び現れ、文章が表示される。

『桃湖さん。前から考えていた事があるんですけど……』

『少しの間、旅に出ようと思ってるんです』

『またいつか、こっちに戻りますから……旅に出ていいですか？』

画面をタップして文章を読み進めていると、｢いいよ｣と｢ダメ！｣の２つのボタンが表示された。
どうしよう……旅に出さずにこのままずっとエネちゃんを育てたいけど、旅に出してみたらどうなるかも気になるし……。
そう迷うこと５分後。私は｢いいよ｣のボタンをタップした。

『！ありがとうございます！じゃあ、またいつか会いましょうね？桃湖さん』

微笑んでそう言うエネちゃん。そして私が画面をタップするとどこからか青いキャリーバッグを取り出し、それを小さな手でコロコロと引きながら部屋を去っていった。

｢あぁ……行っちゃったなぁ。何か寂しい……｣

そう呟きながら溜め息をついて画面を見つめていると、結局一度も使わなかったヘルプのアイコンからクロハが登場し、吹き出しが現れる。

『エネの育成第１期、お疲れ様でした。エネの育成第２期は、来週の月曜日にアップデートされます』

『来週の月曜日まで、他のキャラを育成する事はできませんので、ご了承ください』

『それでは、またのお越しをお待ちしております』

私が画面をタップすると同時に、そう言ったクロハと共に育成ルームは画面から消え、｢しばらくお待ちください｣と数秒間画面の中央に表示された後、メカクシティ育成ゲームのトップページの画面になった。

｢来週の月曜日……ってことは、今日は金曜日だからあと３日か｣

机の上にある卓上カレンダーを見てそう呟き、私はゲームを閉じて携帯を机に置いてベッドに仰向けになる。