検索窓
今日:1 hit、昨日:0 hit、合計:181,446 hit

第5夜。 ページ5

「耳を貸してはいけないよ。」


澄んだ声がした。

濁りの無い、何処までも透き通る声。



もう原型を留めていない吉原の街。
炭治郎達は任務で吉原に潜入、そこで上弦の陸と対峙しているさなかであり、柱である宇髄までもがやられている、そんな最悪の事態であった。

そんな中、目の前にいる鬼も、炭治郎自身も、その場にいる誰もが、瓦礫の上に立つ、澄んだ声の主である美しい男に目を向ける。

「己の信ずる声だけを、聞け。」

鬼に隙ができた。
その一瞬の隙を炭治郎と善逸は狙う。

ことは一瞬であった。
毒の回りを遅くする為に心臓を止めていた宇髄が動き出すと同時に、朝霧は裾にカスミソウの描かれた白の羽織を羽ばたかせ、刀に手を添えた後、帯鬼__堕姫__の元へ、善逸の元へ、静かに降り立つ。


「朝霧、そっちは頼んだッ!!」
「無駄な言葉を発するな、天元。集中しろ。」

帯は善逸のみならず、朝霧をも襲う。
いや、朝霧を襲う帯の方が圧倒的に多いだろう。

「いけ、少年達(・・・)。」

その時、堕姫は目を見張った。

(こいつ…!!刀を抜いていないのに、どうして!?)

朝霧から刀を抜く動作は見られない。
なのに、帯が次々と切り刻まれていく。

(違う!!早すぎて見えてないだけだ!!そんな、上弦である私ですら、お兄ちゃんですら見えないだなんて…!!)

暫くすると攻撃が朝霧に当たり始めるも、全て擦過傷のみ。
顔、腕、足。
何れもそう深く傷はつかなかった。

金色の双眼が堕姫を見据える。


「油断は禁物だよ。」

第6夜→←第4夜



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 9.9/10 (214 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
416人がお気に入り
設定タグ:鬼滅の刃 , 男主
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

天麩羅 - わわわ更新されてるぅぅううう!! (2020年3月15日 22時) (レス) id: eb9a0c61ed (このIDを非表示/違反報告)
天麩羅 - わぁーーーぁああああ!面白いぃぃぃぃいいいい!更新頑張って下さいぃいい!! (2020年3月14日 22時) (レス) id: eb9a0c61ed (このIDを非表示/違反報告)
小坂谷 真夜(プロフ) - いおりさん» ありがとうございます。そのようなお言葉本当に嬉しい限りです。 (2020年2月1日 22時) (レス) id: 79a8fd2e1c (このIDを非表示/違反報告)
いおり - めっちゃどタイプの小説きたーーーっ、これからも期待して待ってます。更新頑張ってください (2020年1月12日 14時) (レス) id: bce55b4438 (このIDを非表示/違反報告)
小坂谷 真夜(プロフ) - mo4さん» コメントありがとうございます。そう言っていただけて嬉しいです。 (2020年1月12日 13時) (レス) id: 79a8fd2e1c (このIDを非表示/違反報告)

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:小坂谷 真夜 | 作者ホームページ:@lotus_1022  
作成日時:2019年9月9日 22時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。