5.高校生 ページ5
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＿＿＿＿2016.冬《逃げてるのは自分ちゃうん》
祥生「もうすぐクリスマスやのに、寂しいなぁ」
『あんたもやろ、なんの用？』
昼休みだと言うのに、机に座って勉強をする私の元へ来てちょっかいを掛ける祥生、なんやねん。
祥生「このままでええん？って思って」
『…ええわけないけど、橋本さんに勝てるわけないねんもん』
祥生「その気持ちはわかるけど」
『おい、否定しいや！』
もうええねん、橋本さんとボウがクリスマスに出かけることくらい知ってるから。
一緒に過ごさないクリスマスなんか、初めてや。
毎年、家族ぐるみでどっちかの家でパーティーしてたもんな。
それも出来んくなるって考えたら寂しい。
でも受験もあるし、もうボウのことなんか……
忘れる、
自分に言い聞かせてそう過ごしていたこの年の冬。我ながら可哀想やな。
それを知ってか知らずか、ボウはいつも通り優しい。
登下校は私としてくれるから。
でもそれと同時に、私は恋愛対象外って思い知らされる。
好きな人おるのに一緒に学校来れるなんて、「あいつはただの幼なじみやから」って言ってるもんやん。
それでも、それでもやっぱり一緒に登校したい。
分かってる、私のバカ。
汐恩「どうすんねん、今年のクリスマス。
Aは勉強あると思って計画まだ立ててないわ」
『ほんまかいな』
汐恩「今更なんでウソつくねん」
『ウソついてるやん、もう。
もどかしいねん、はよ言いや。好きなんやろ？橋本さんのことが。やから私とクリスマス過ごさへんのやろ！』
プチッと何かが切れた音がした。
ああ、終わった。
ボウは目を細めて私を見る。
悔しい、そんな顔させたいんやないのに。
祥生「おはよ。なんしてん、遅刻するで。」
汐恩「俺先いくわ」
ボウが私たちをおいて、早足で歩き出す。
猫背のくせに、生意気や。
『そーやって逃げるんやな。まだ返事聞いてへんで』
汐恩「今まで1回も聞いてこーへんかったやろ、逃げてるのは自分ちゃうん。今更聞いてきて怒られても意味わからんわ」
『へー、好きにして。』
汐恩「しとるやろ、じゃあな」
祥生が心配そうに私を見てる。
祥生まで可哀想な目で見んといて。今は祥生しか頼れる人、おらんから。
クリスマスも結局、1人で勉強。
その夜知った、ボウと橋本さんが付き合い始めたこと。
サンタさんの嘘つき。幸せ欲しいって言ったのに。
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^^(プロフ) - このストーリー大好きです😭💞続き楽しみにしてます🙇♀️🙇♀️🙇♀️ (2022年2月14日 5時) (
レス) @page10 id: feebfdcf28 (このIDを非表示/違反報告)
ミイ(プロフ) - 小森さん» ありがとうございます！更新しますね！！ (2021年10月14日 23時) (レス) id: beccf8bfba (このIDを非表示/違反報告)
小森(プロフ) - このお話本当に大好きです。続きを楽しみにしています！ (2021年10月13日 3時) (レス) id: ef7b8555f6 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ミイ | 作成日時：2021年9月19日 20時
