FILE286:完璧な/灰原side ページ44
『それってどうゆう…?』
そう哀ちゃんに聞いた。
「江戸川くんの事よ。あの子達は知らないのよね、もう江戸川くんには会えないって事」
『会えないって…退院までに薬が完成しなかったら会えるってコナンくんは言ってたけど…』
退院は明日。あの子達にとってようやく明日コナンくんに再会できる日だ。
「なら貴女にとって残念な知らせね。あの薬はもう完成しているの。そして、その事はもう江戸川くんには伝えてあるわ」
『え?』
薬が完成してる?
「まあまだ彼には渡してないけどね。明日江戸川くんが退院してから渡すつもりよ。江戸川くんがあの子達に会ってから飲むのか、会わないで飲むのかは彼次第だけど」
『…私は突然居なくなられると悲しい。もし、もう二度と会えないとしてもちゃんとお別れくらいは言いたい。コナンくんに薬を渡す時、そう伝えて貰ってもいいかな…』
「…ええ。必ず伝えるわ」
『ありがとう…』
そしてその日はあっという間に終わってしまった。
灰原side
次の日、今日は江戸川くんが退院する日。
私は病院の外で彼が出て来るのを待っていた。
ウィーンと扉が開く音がしてそちらを見る。
「灰原…」
「なに暗い顔してるのよ。…退院おめでとう」
「あ、ああ…ありがとう」
ポケットからピルケースを取り出し、その中の一つのカプセルを彼の手に差し出した。
「はい、昨日言ったAPTX4869の解毒薬」
「ありがとう…」
彼に解毒薬を渡すも未だに暗い表情をしている。
「なあ…灰原」
「なに?」
「本当にこれを飲んだらもう二度とコナンにはなれねぇのか…?」
「…ええ、なれないわ。貴方に渡したのはAPTX4869の完璧な解毒剤。それを飲んだら次に同じ薬を飲んでも小さくなる事はないわ」
下手したら死ぬかもね?と冗談交じりに言うも彼は黙ったままだった。
「…そうそう、Aさんから貴方に伝言よ」
「伝言?」
「『突然居なくなられると悲しい。もし、もう二度と会えないとしてもちゃんとお別れくらいは言いたい』との事よ」
「そうか…そうだな。ありがとう灰原」
彼はそう言うとカプセルを小さな袋に入れポケットにしまい、その場を去って行った。
灰原side終
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もちもちアイスクリーム(プロフ) - え、めっちゃ最高でした!! (4月8日 12時) (レス) @page50 id: aa5605d5a8 (このIDを非表示/違反報告)
なみ太郎(プロフ) - karionさん» コメントありがとうございます(^。^)次回作は安室さんです!いろんな案が出過ぎているので悩み中…。割とキャラが病んでる描写が好きなのでキャラ崩壊ありかもです。 (5月11日 6時) (レス) id: bce4419484 (このIDを非表示/違反報告)
karion(プロフ) - 面白かったです!自分飽きるのが早いので最後まで読むことが少ないんですけど久しぶりに最後まで楽しく読む事が出来ました!次回作も楽しみです‼︎ (4月30日 13時) (レス) @page49 id: d59aca9a13 (このIDを非表示/違反報告)
なみ太郎(プロフ) - えくれあさん» ありがとうございます!最終回の終わり方は一話の時から決めてたのでやっとって感じです!次回作も頑張ります! (2022年5月1日 12時) (レス) id: 9f82d8cbd4 (このIDを非表示/違反報告)
えくれあ(プロフ) - 最後の終わり方いいですね〜!完結お疲れ様でした!次回作も頑張ってください、応援してます!ワクワクです笑 (2022年5月1日 0時) (レス) @page50 id: 1e601cb38a (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:なみ太郎 | 作成日時:2022年3月14日 14時