雨の日の帰り道 ページ14
「うわぁ、めっちゃ降ってる〜……」
大学帰り、最寄り駅から歩こうと思ったら激しめの雨が降りだした。
傘持ってないし、かと言って買うのも勿体ない。
「あ、」
どうしようか迷っていると、携帯が震えた。
『今電車乗った。金田一と一緒。』
部活帰りの弟だ。
ナイスタイミング！
たぶんコイツ傘持ってるから入れてもらお。
すぐに返信を打つ。
『最寄りついたんだけど雨やばくて歩けない。
待ってるから傘入れて』
『了解、及川さんの傘パクってきたから余裕』
「ちょ、笑笑」
弟の返信に思わず笑ってしまう
先輩の傘パクるなよ笑
まぁいいやとりあえずこれで濡れずに帰れる、
ありがとう及川くん←
.
.
.
「……あ、」
「？……あっ！」
壁にもたれて携帯を弄っていると、見覚えのある顔が横に
「影山くん」
「チワッス」
弟の中学時代のチームメイト、影山飛雄くん。
久しぶりに見た彼は、少し背が伸びて、大人っぽくなっていた。
「部活帰り？」
「ハイ」
彼と弟たちの間に色々あったのは知っている。
例の寝る前愚痴タイムに散々聞いたから。
あと…最後の試合も見に行った、から。
目に焼き付いて離れない、試合後のロビーで見た彼の顔。
見た瞬間衝撃が走って、思わず声をかけてしまった。
『影山くん！』
『っ！』
何度か家に遊びにきたことがあって面識はあったけど、顔見知り程度。
『………3年間、お疲れ様。』
そんな人間にかけられた労いの言葉に、
泣きそうになるくらい、彼は孤独だった。
.
.
「………今、」
「……？」
沈黙に耐えきれなくなって、口を開いた。
「楽しい？
.
.
……………部活」
ずっと気になってた。
あの日以来、彼に会うことはなかったけど、
ずっとあの泣きそうな顔が忘れらなくて、
英や金田一くんの苦しそうな顔も忘れらなくて、
彼らは今、あんなに楽しそうにやっていたバレーをちゃんと楽しめているのだろうか、と。
.
.
.
「ハイ、とても」
そう答えた彼の目は、あの日よりも随分明るく、綺麗だった。
.
「…そっか、よかった。
君がバレーのこと嫌いにならなくて。」
だって、バレーをやっている時の彼らは、最高にキラキラしてるんだ。
最高にカッコいいんだ。
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Yuna(プロフ) - 気長に待ってます！作者さまお体にお気をつけて、無理しない程度に頑張ってください！ (2月25日 10時) (
レス) @page38 id: 3728fbebde (このIDを非表示/違反報告)
ひよこ - 白布姉の話クオリティ高すぎてもう普通に公式エピソードにあってもおかしくないくらいでした‥‥文のレべル高すぎません‥‥？ (2022年9月9日 21時) (レス) @page23 id: 9441486e53 (このIDを非表示/違反報告)
きのこ - 私孤爪さん、国見さん好きなんですがもうこの話大好きです。「無人島に持っていきたいぐらいです」黒尾くんの話もすきで、カレーｗｗｗｗｗ 長文もうしわけございません。更新頑張ってください恐れながら応援しております。 (2022年8月22日 16時) (レス) @page37 id: 3a818a2bd4 (このIDを非表示/違反報告)
萌憂(プロフ) - 弧爪じゃなくて孤爪です。 (2021年2月9日 12時) (レス) id: f803e16cb6 (このIDを非表示/違反報告)
日詩(プロフ) - 茂庭さんのお姉さん書いてもらえますか？ (2020年12月7日 17時) (レス) id: 6c7e156b7a (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：葵www | 作成日時：2017年4月23日 0時
