２８、 ページ29
・
「しょっぴーも、その手離したら離すよ」
そう言った めめの視線は、俺の胸ぐらを掴む手やった
「あ？関係ねーだろ」
「関係ない奴殴ってるのは どっち？」
「コイツは関係あんだよ」
『ゔぐっ！！』
壁にめり込むんやないか、って思うくらい押し付けられる
く、苦しくて息が…！！
「ちょ、しょっぴ___________ 」
「しょーた？ お前やりすぎ〜」
めめの言葉を遮ったのは、場違いなほど明るい声
こ、この声は
「ふっか…」
その通り
曲がり角から顔を覗かせているのは、深澤辰哉だった
「ちょっとさ、頭冷やさね？」
いつもの軽い口調やのに、どこか殺気を忍ばせたような声色
全員が彼に怯んだのが分かった
もちろん、渡辺翔太も
「うぜ」
『うぎゃ！』
手を離す、というか投げ飛ばされた俺は 床に倒れ込む
「次はねーから」
鋭く睨まれて、生唾を飲み込む
「しょーた」
「うるせ」
促されるように名前を呼ばれると、不機嫌そうに廊下を歩いて行った
その背中は、何故か悲しそうに見えた
「目黒も、考えなしに翔太に絡まないこと！！
何回も言うけど、アイツがキレると本当に面倒くさいからね！？」
『うっす』
いつもと変わらん ふざけた様子で めめを注意した後、俺を一瞥して通り過ぎて行った
その先には
「君も怖かったね？」
最初に絡まれていた女子生徒
まあ彼女からしたら、深澤辰哉も渡辺翔太と同等の存在で、怯えた様子で駆け出す
しかし、俺の前で足を止めた
「向井先輩ですよね？」
『ん、そやで』
「これ、助けてくれたお礼です」
渡されたのは小さな絆創膏
『ありがと』
「いえ、私の方こそ ありがとうございました」
顔を真っ赤にしたと思えば、慌てて走り去ってしもうた
助ける言うても、何もしてへんけどな
「ちょっと、助けたの俺じゃん！」
深澤辰哉は走る女子生徒を追いかけて行った
残されたのは、俺とめめ
「保健室行こ」
『1人で行けるで』
「だめ」
『おっ』
拒否権なしに手を引かれて、その後を付いていく
『っ…ありがとな』
「うん」
めめに触れられている手から段々と
恐怖が消えて行った
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 1102人がお気に入り
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「SnowMan」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
スメシ - スーさん» コメントありがとうございます。ストーリーに関しては結構練っていまして、そのようなお言葉を貰えてとても嬉しいです！応援、とても力になります！これからも楽しんでいただけるように精進いたします！！ (2021年3月18日 11時) (
レス) id: 2e3f726332 (このIDを非表示/違反報告)
スー - 今日このお話を初めて読ませていただいたのですが、ストーリーが素晴らしくて、とっても続きが気になりました…！！応援させていただきますので、これからも更新頑張ってください！！ (2021年3月17日 19時) (レス) id: 8ab2b29f53 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：スメシ | 作成日時：2021年3月8日 21時
