ハニーマスタード

寝技 ページ22

「おはよう」

「おはよ」


わざと私に当たりまくるように豪快に伸びをする隣の人。


「痛い、痛い」


絶対当たるように伸びてるし！

伸びした腕を私にまわして来て、私の頭に顔をスリスリしてる…
めずらしく朝から甘々だな……


「猫みたい(笑)」


ニャーって言ったし、なんでこんなにご機嫌なんだろ？
謎だ。


「大ちゃん、遅刻します。懐かないで」

「さっさと用意しな」

「自分が離さなかったんじゃん！」


目をつぶったまま笑ってるし…

名残惜しかったけど、起き上がって支度を始めた。


「起きないの？」


用意が終わってもベッドから出てこない人に声をかける。


「A帰って来るまでいるわ」

「大ちゃん休みなの？」

「おん」


だからご機嫌だったんだな…


「早く帰って来れないかもしれないよ」

「適当にしとくから大丈夫」

「分かった。行って来るね」

「いってらっしゃいのちゅーしてやるわ」


そう言ってベッドの中から両手を広げた。

嬉しくて走ってその腕の中に飛び込むと、格闘技か？ってくらいの寝技をかけられた…
技かけた方は爆笑してるし…


「ちょっと！髪ボサボサになる！！」

「警戒心のないお前が悪い(笑)いつどこで寝技されるか分からんやろ」

「生きてて寝技かけられるかもって状況ほぼないんですけど…」


笑いながらビックリするくらい短いキス。
寝技かけたかっただけか！！！

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