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先輩は歯痒そうに
「Aちゃん今彼氏とかいるの？」
『いないですよ』
「…康二とかどう？」
と聞いてきた。
あまりにも直球で笑ってしまう。
『…いやぁ、康二くんに怒られますよ(笑)』
「そんなことないよ！割と優良物件だよ、康二！」
『優良物件すぎて私じゃダメです(笑)』
「そんなことないのに〜…」
わかりやすくしょんぼりする先輩。
その姿がすごく可愛くて、こういう所を好きになったのかなって思った。
「じゃあAちゃん好きな人出来たら教えてね」
『教えたらどうするんですか？』
「康二を推す」
『ねえ(笑)』
仮に本当に康二くんが私を好きだったとして、
あまりにも先輩のサポートの仕方が下手すぎる。
もっとさりげなくとか色々あるだろうに。
私だから気づかないフリが出来るけど。
すると、先輩が少し目を伏せて微笑んだ。
「康二はいい子だから幸せになってもらいたいんだよね〜」
『…』
「Aちゃんだったらいいのにって先走っちゃった」
「ごめんね？」って謝られて、
『全然』って慌てた首を振った。
そのタイミングでポップコーンを抱えた康二くんと翔太先輩が戻ってきた。
何味買った？なんて話しながら再び4人で並んで順番が来るのを待つ。
「Aちゃんキャラメル好き？」
『え？あ、うん』
「…どうした？疲れた？」
『ううん、キャラメルだぁって心の中で喜んでた』
「何やそれ(笑)」
ありがとうって差し出されたポップコーンをつまむ。
「しょっぴー塩ちょうだい」って口を開ける康二くんを見て、何だか切なくなった。
何で「友達のままで」ってお願いしたの？
何で「好きな人がいる」なんて嘘ついたの？
そのせいで好きな人に応援されちゃってるのに、
それがすごくつらいのは最初からわかるはずなのに、
何でそれでも2人の隣にいることを選んだの？
「康二には幸せになってほしい」と笑った先輩。
康二くんが好きなのは先輩だよ。
康二くんを幸せにできるのは先輩だけだよ。
…何でみんなこんなに思いあってるのに、
何でこんなに噛み合わないんだろう。
「Aちゃん」
『え？』
「大丈夫？」
『…何が？』
「いや、顔」
しんどそうって2人に気づかれないくらいの声で心配してくれる康二くん。
…何でこんなに優しい人が報われないんだろう。
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きき - 読んでる途中で何回も泣きました。何回も読み返しにきます。素敵な小説をありがとうございました。 (2022年12月20日 1時) (
レス) @page45 id: 2e4c7a3530 (このIDを非表示/違反報告)
小袖(プロフ) - 涙が止まらなくなりました…良すぎてよすぎて胸が痛くて最高すぎます… (2022年12月11日 0時) (レス) @page45 id: 086580d8cf (このIDを非表示/違反報告)
りえまりこ(プロフ) - 何度も読み返したくなる作品で、何度読み返しても心が動かされます。素敵な作品をありがとうございます。 (2022年12月9日 6時) (レス) @page45 id: 1f2c4c1078 (このIDを非表示/違反報告)
みんみん - めっちゃいいお話でした！！途中感動で泣いちゃいましたよ。思いが通じたところも最高でしたし、その後のしょっぴー先輩のお話もすっごく共感しました！登場人物みんなちょっとだけズルくて、でも正直で可愛いのがホント素敵でした。 (2022年4月25日 15時) (レス) @page45 id: d946c1f5c6 (このIDを非表示/違反報告)
いちご - 今まで見た小説で一番好きです！最高すぎますし、天才です！気づいたら泣いちゃってました、、笑 めいさんの他の小説も読ませて頂きます！こんな素敵なお話読ませて頂いてありがとうございます！！ (2022年4月18日 3時) (レス) @page45 id: 8dc1188793 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：めい
| 作成日時：2021年11月12日 23時
