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誰かが言い出した席替えをして別の子と話している時も康二くんからの視線を感じたけど気付かないふりをした。
何か今日疲れ気味だから、集中しないとボロが出る。
それも限界が来てそろそろ深呼吸したいと思って、
『ごめんお手洗い行ってくるね』って席を外した。
鏡の前でハァ、と深く息を吐く。
甘ったるいお酒も探るような会話ももう疲れた。
前までは多少慣れてたはずなのに。
あとどれくらいで終わるだろうって思いながらリップを塗り直してトイレから出る。
「あ！」
『うわ、びっくりした』
「ちょおAちゃん何でおるん！？」
『え』
トイレから出ると、康二くんが壁にもたれて待っていた。私を見つけて駆け寄ってくる。
『え、何でって、』
「だってAちゃんなんかキャラちゃうし。
え、しょっぴーは？」
『翔太？』
「しょっぴーに今日ここ来ること言った？」
え、
何で翔太？
そして康二くんは何でそんな心配そうな顔？
『…言ってない、けど、』
「あかんやん！」
『あかんって…ていうか最近会ってないし』
そう言うと康二くんの目が大きく見開いた。
一拍置いて、「…ええ！？」って大きな声。
「何で！？え、え何で！？」
『いや別に、』
「あんな仲良かったやん！」
仲は良かった。と思う。
でも私と翔太は友達でも恋人でもない。
すぐに切れてなくなりそうなギリギリのラインで付き合っていた。
それくらい曖昧で、脆い関係。
『……そんなことないよ』
「え？」
『私が一緒にいて楽だっただけ』
可愛くない私を受け入れてくれたから。
面白がってくれる翔太だから、一緒にいただけ。
翔太といる時は自分を作らなくていいから楽だった。
ただそれだけ。
『友達でも何でもないよ』
「…」
『翔太だってずっと私の相手してるわけにもいかないじゃん(笑)』
『他にもいっぱいいるだろうし』って笑う。
言いながらまた胸が痛んだ。
何か言いたそうな康二くんに『戻ろ』って言って席へ向かう。
戻ると元の席とか関係なく男女ごちゃ混ぜに座っていた。
「Aちゃんこっちー！」
最初に話していた男の子が自分の隣をポンポンと叩く。
無理やり口角を上げて返事をした。
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かな(プロフ) - 一気読みしました!とっても素敵なお話でした！ (2021年11月14日 8時) (
レス) @page33 id: 22fe685296 (このIDを非表示/違反報告)
まゆみ(プロフ) - ところどころ、名前が変換されない所がありました。 (2021年11月13日 21時) (レス) @page34 id: 15fffef845 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：めい
| 作成日時：2021年11月12日 23時
