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ハァ、とため息をついて、
「本当、気ぃ遣いが一周回って鈍感なんだから」
と呆れたように笑われた。
「俺振られたの。好きな子に」
『…だから、』
「俺のこと振ったよね、A」
『………え、？』
驚きすぎて、口をパクパクさせる。
え、待って待って、
ふっかは好きな子がいて、
その子に振られて、
…で、ふっかを振ったのは、
『…わ、たし……？』
すると、困ったように彼が笑った。
「好きだよ、A」
『……へ、』
「俺のずっと好きな子はAだよ」
そこまで言うと、私をギュッと抱きしめた。
「フリじゃなくて、本当に、俺の彼女になって」
耳元で言われる。
……これ、本当に？
怖い。
違ったらどうしよう。
" ふっかさんの前でも、素直になってみて "
そう笑った康二くんを思い出す。
…私も、本当のことを。
震える手で、ふっかのことを抱きしめ返した。
「え？」と驚いた顔で私を見るふっか。
ちゃんと、真っ直ぐ彼を見る。
『……私も、ずっと好きだった』
ずっと、あなたに伝えたかった私の気持ち。
それが届いたのか、もう1度さっきよりも強く抱きしめられる。
「…え？え、まじ？」
『…っ、まじ、』
「まじで！？」
『……お願い、だから、』
『…もう1ヶ月だけとか、言わないで』
そう言った瞬間、私の唇にふっかの唇が重なった。
離れてから、私の顔を見てまたヘラッと笑う。
「…続きするって言ったでしょ？」
その言葉に、また泣いてしまった。
…最近私、泣いてばかりだ。
「俺の彼女になってくれる？」
頬に手を添えられて、優しい声で聞かれる。
『……もう、フリじゃない？』
「うん」
『1ヶ月だけ、じゃない？』
「ずっとだね」
……嘘みたい。
嘘をつかなくても、彼の隣にいてもいいんだ。
『彼女になるから…私の彼氏に、なってください』
「…喜んで」
2人で微笑み合って、
あの観覧車の続きをもう1度した。
好きだよ。
1ヶ月、より長く、ずっと。
Fin.
終わり
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スノ姫 - 良かったです。素敵でした。感動して泣けて来そうでした。1ヶ月、彼女のフリが最終的には本当の恋人になるですから、それ位に両想いで好きだったって事ですよね。いいですね。こう言う恋。 (2021年11月14日 17時) (
レス) @page40 id: 61c754dd4c (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：めい
| 作成日時：2021年11月12日 21時
