11 ページ11
んーって悩んでると、「あれは？」ってふっかが私のリュックをグイッと引っ張った。
指差された台にはいろんな種類の猫のマスコット。
顔が可愛らしい。
「あの白いの、Aに似てる」
『え、そう？』
「なんか似てる」
『私あんな可愛くないよ』
「いやお前普通にかわいーよ？」
そう言われて固まった。
ふっかの方を向くと、ん？って何でもない顔。
……これだからこの男は罪深い。
意識してないから言えるんだろうけど、今までこうやって何人も好きにさせてきたんだろうなってため息をつく。
「え、何、」
『やだよ本当』
「あれ、猫嫌い？」
『嫌いじゃないよバカ」
『え、悪口」
言葉の暴力だって煽るふっかを無視して100円入れる。
うわ、クレーンゲームとかいつぶりだろ。
ボタンを押したらクレーンが動き出した。
え、待ってこれどうすればいいの。
久しぶりすぎてパニックになる。
「あーもうちょい右じゃない？いや待て行きすぎだな」
『ねぇこれいつ止めればいい！？
あれ待ってふっか止まらない！！』
「今止めちゃダメだって！ははっ、ずっと横移動してるやば！」
『ふっか！ねえ！』
どうすればいい？！って混乱してる私で爆笑してから、
「いいこと思いついた」ってまたニヤニヤし出した。
嫌な予感はするけどそれどころじゃない。
『ふっか止めるのどこ？！』
「だからまだ止めちゃダメだって」
そう言って後ろからボタンを押してる私の手にふっかの手が重なった。
すぐ耳元で声が聞こえる。
…さっきのニヤニヤ、これか。
『…ねえ、』
「あの白い子のところで手離せばいいんだよ」
『ねえ、わざとでしょ』
「わざとって？俺教えてるだけだもん笑」
『…』
「なぁに、照れてんの？」
そう言って首に顎を乗せられる。
やばい、心臓。
聞こえてたらどうしよう。
「はいここー。で次こっちのボタン」
そう言って私の手を握りながらボタンを操作する。
細長い指が私の指に絡まる。
いつも手は繋いでるけど、あれより何か恥ずかしい。
「ここかなー、あい！」
ふっかが止めた場所でクレーンが降りる。
当然のように白猫は救出された。
ガコン、と音がしてふっかから逃げるようにしゃがみ込む。
落ちていた猫を取り出した。
「あれ、A顔赤くない？」
『…赤くない』
「え、何かあった？」
『……そこそこあった』
そこそことかってケタケタ笑うふっか。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 979人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「SnowMan」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
スノ姫 - 良かったです。素敵でした。感動して泣けて来そうでした。1ヶ月、彼女のフリが最終的には本当の恋人になるですから、それ位に両想いで好きだったって事ですよね。いいですね。こう言う恋。 (2021年11月14日 17時) (
レス) @page40 id: 61c754dd4c (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：めい
| 作成日時：2021年11月12日 21時
