宮侑にたたかれまして【宮侑】 (ページ10)

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9話ページ10

放課後の文化祭準備が始まった

2組の佐倉さんから頼まれた衣装は王子の衣装だ
それもベタなラブストーリではなく悲劇のラブストーリらしく、楽しみだったりもする

私は設備が整っている被服室にこもり制作する

最初は着る人のサイズを測るため、リストに載っている人達をメジャーでどんどん測っていく

最後の人は……

リストに目を通した、そこには宮侑と書いてある
宮侑くんか、王子役をやるのか……
そりゃあイケメンだからやるよね王子くらい

『じゃあ次の人…』

「俺やな、Tシャツでええんか？」

『うん、ざっと測るだけだから…失礼します』

宮侑くんのサイズをどんどん測っていく

『肩幅が45…袖口と_____ちょっとごめんね胸囲が…』

測っていると宮侑くんは男の子だなって思う
広い肩幅、大きい胸板、高い身長…これは女子がほっとくはずないな

『お疲れ様でした…もう戻っていいよ』

「おん」

先程測ったサイズをリストに記入していく

次はデザイン考えなきゃ…

スケッチブックを取り出そうリストから顔をあげるとまだ宮侑くんがいた

『まだいたんだ宮侑くん』

「おん、宮侑じゃなくて侑でええよ」

『それじゃあ侑くんは戻らないの？』

「暇やから戻らへん」

暇そうにキョロキョロ周りを見回す侑くん

そんなに暇なら私の手伝いをしてほしいくらいだ

『「ねぇ/なぁ」』

声が重なってしまった

「先にええで」

『うん、…昨日は変なこと言ってごめんね、別に深い意味はないから気にしないで』

謝ろうと思っていたのでタイミングがよかった

「おん、じゃあ俺は…「宮ー！どこいったー！」」

侑くんの言葉を遮るように大きな声が聞こえる

きっと侑くんを探しているのだろう

『戻ったら？呼ばれてるよ？』

私はスケッチブックから顔をあげずに喋る

「そうするわ、ほなな」

『お疲れ様』

今度こそ侑くんは戻っていった

最後に侑くんは何を言おうとしたんだろ…