宮侑にたたかれまして【宮侑】 (ページ8)

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7話ページ8

次の日のお昼は1人になりたくて、購買でお昼ご飯を調達して人のいない屋上に移動する

『さて、とりあえずごはんごはん、と』

購買のサンドウィッチとレモネードを口に運ぶ
簡素な食事だけど、気軽に食べられる屋上だと何割か増して美味しく感じられた

『___________ふぅ』

ちょっと疲れた………
昨日、一昨日でいろいろなことがおこりすぎて流石に疲れる

あとから結衣に聞いた話だが、サッカー部に所属している宮内海斗くん、昨日宮侑くんの隣にいた男子生徒だ。その宮内海斗くんが関係しているらしい。

宮内海斗くんは以前から好きな子がいたらしく最近その子に告白したらしい。そして酷いふられ方をし、その時に言われた言葉に宮侑くんは怒っていたのだ。

宮侑くんのクラスは2組私のクラスは3組仙一って苗字は珍しいからもう1人いるなんて考えてもいなかったのだろう。そして私を勢いで呼び出し叩いたというわけだ。

2年8組にいる私と同じ苗字の仙一絵里香
仙一って苗字は珍しいのに同じ学年で被るとは思ってもいなかったので私自身も驚いている
彼女は表ではいい顔をしているが裏ではやばいと女子達の間で噂になっている結構目立つ存在だ

モブキャラやNPC、村人Aのような感じでひっそりと高校生活を送りたかったけどそうも簡単にはいかない…

『十で神童十五で才子二十過ぎればただの人…ただの人まであと3年…早くただの人になりたい…』

私の声だけしか聞こえないはずなのに他の人の声が聞こえた

「俺はただの人になんてならへん」

『宮侑くん……』

そこには昨日ぶりの宮侑くんがいた
わざわざ屋上に来たってことは私に用事があるのか…それとも1人でお昼を食べにきたか

立ち上がりフェンスに寄りかかる

「一昨日はほんまにすまんかった、これで許されるとは思ってへんけど…」

そう言う彼の手には袋があり、それを私に渡してくる

『わざわざありがとう、ちゃんと謝ってくれたし私は気にしてないから』

「お、おん」

校庭の方に視線を向ける

昨日も謝ってくれて、そのうえこうして今日も謝ってくれてる。きっと彼は優しいから宮内海斗くんのことで感情の制御ができないほど怒っていたんだろう

『ほんと優しい人……』

「え……」

つい気が抜けてしまい考えていたことが口にでてしまった