宮侑にたたかれまして【宮侑】 (ページ31)

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30話ページ31

私は侑くんと並んで、月明かりと街灯に照らされた夜道を歩く

「……そういうかっこ、するんやな」

侑くんは私の方を向かずにぽつりと呟いた

『そういうかっこ？』

「おん、結構可愛い……まぁ、似合っとる」

今着ている服は、オフショルダーの白いシフォンブラウスにアイスブルーのストライプ柄のスカートでウエストベルト付きだ

私に似合っていると言った侑くんは不自然くらいに私の方を見ない
かすかにうつむく頬は街灯のせいで少し赤く染まってみえる

『……姉さんのこと、好きになった？』

「そんなわけあらへんやろ」

『そう、でも顔赤くしてたよね、姉さんを見て』

「それはまぁ、それより仙一さっきからおかしいで？なんかあったんか？」

『別になにもないよ…』

自然と顔がうつむいていく

「ほんまか？ほんまにどないしたん？」

『なにもないから！』

侑くんが私の腕をとらえにきたが、すんでのところで身をかわし私は猛烈な勢いで家の方向に走り出した

「仙一っ！」

侑くんの声が夜道を追ってきた

私にとって姉さんは憧れでもあり、羨ましかった
親戚は皆姉さんを絶賛して褒める
美人だね、可愛いねと
それに加え私の友達は皆とられていく
仲良くしてても結局姉さんのところに行く
それがほんとに嫌だった
だから高校は別の学校を選び、そうはならないように努力した、けど無理なものは無理らしい…

もうこれ以上友達をとられていくの嫌だ…