宮侑にたたかれまして【宮侑】 (ページ30)

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29話ページ30

『だーから！何度説明したらわかるの！まずどの公式を使うか考えて！』

「アカン！わからへん！教え方がヘタクソなんや！」

先程からずっとこの調子である
勉強を開始してから4時間は経った
北先輩は用事があるしく先に帰ってしまい、治くんは侑くん程酷くないので私が2人に教えるのはキツいと考えてくれたからなのか、帰ってしまった

『アホ度を棚にあげて私のせいにするとか最低！いいからこの問題解いて！』

侑くんはローテーブルの前で、片足だけを深く曲げ頭をガシガシしながら問題を解き始めた

それから30分くらいして、侑くんに声をかけられた

「できた！できたで！」

侑くんからノートを受け取り確認する

『正解だよ』

「ほんまか！さすが俺やな！」

嬉しそうにする侑くん
部屋にある時計を見ると6時にさしかかっていた

『それじゃあ、今日はこのくらいにしようか』

「おん、ありがとうな教えてくれて」

『うん、教えるのも勉強になるから』

荷物をまとめ玄関に向かうとそのタイミングで玄関の扉が開いた

「ただいま」

『姉さん…』

そこには今帰ってきたであろう姉さんがいた

「お友達？」

『うん……』

侑くんがいる時に姉さんには帰ってきてほしくなかった…
侑くんの方を見ると、やっぱり姉さんを見て頬を少し赤く染めていた
だから嫌なのだ…
いつもいつも、大事なものは全部姉さんにとられてしまう…
姉さんはすごく綺麗で美人で、でも私はそうじゃない…

「私は部屋に行くね」

『うん…』

姉さんとすれ違い、靴に履き替えた