2話 ページ3
私はあと2年の高校生活を何の問題もなく平和にそれこそ、モブキャラやNPC、村人Aのような感じで
よかったのだ
だがそんな希望も儚く散っていく
「おい、仙一!」
『はい?』
友達と喋りながら廊下を歩いていた時のこと
空気を震わすような大きな声で私の名前が呼ばれたので勢いよく振り返る
たしか…バレー部の宮…宮侑くんだ…
お互いに面識がある訳でもない。私がただ一方的に知ってるだけ。まぁ稲荷崎では有名だから知っている。
『なんですか?』
「こっちにこいや」
有無を言わせないぐらいの威圧的な声。こんだけ威圧的だと告白とかそんな生易しい呼び出しでもないだろう。
『わかりました…』
一緒にいた友達は心配そうにこちらを見る。小声で大丈夫だよと言えばしぶしぶ頷いて教室に戻っていった
放課後なのであまり人はいないが念の為なのか1番奥の廊下に私を連れてきた
「何様のつもりや」
けして大きい声ではないけど先程と同じような威圧的な声。普通の女の子なら泣いてるぐらい威圧的だ。私が何かをしたかと言われても検討がつかない。ましてや今の今まで宮侑くんとは接点がひとつもないのだ
『なんのことですか?』
「ここまできてしらばっくれるんか」
『しらばっくれるも何も、身に覚えがないんですよ』
「さよか…」
先程と比べ物にならないぐらい低い声
宮侑くんが私の顔あたりまで手をあげた
叩かれるとわかっていたが体は動かない、なので避けることもできない
叩かれたと自覚したのは叩かれてから数秒たってからだった。でも凄く痛い訳でもない、少しヒリヒリするぐらいだ。きっと女子を叩くのはあれだと思ったのか威力を弱めたのかもしれない。まぁ叩かれたことには変わりないけど
『………………』
「最低やな」
それだけ言うとどこかに行ってしまった
私はただ遠ざかって行く宮侑くんの後ろ姿を見ているだけ
『何もしてないのに…』
私の声がはっきり聞こえるくらい周りは静かだった
宮侑にたたかれまして
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作者名:黒猫 | 作成日時:2020年4月16日 21時